Spectrum Tokyo Festival 2024 レポート:デザインを楽しむ心が生まれる特別な空間
🕒5分で読める、Spectrum Tokyo Festival 2024 イベントレポート
こんにちは、Nozakiです。
12月7日(土)〜8日(日)に開催された「Spectrum Tokyo Festival 2024」 Day1に初参加してきました!印象的だったセッションのご紹介とそこで得られた学び、感じた魅力をシェアできればと思います。
Spectrum Tokyo Festival 2024って?
印象的だったセッション
当日セッションはStage1とStage2の二箇所で同時に行われており、Stage1は基本的に英語でのセッション、Stage2は日本語のみで行なわれていました。
1日で14名のセッションが行われ、どれも興味をそそられるものでした。その中で特に印象に残ったスピーカーの方とそのセッション内容をご紹介します。
「コンポーネント図鑑」を通じて目指す初めてのUIデザインを楽しむキッカケつくり
伊藤 寛人
視伝研 | デザイナー
サイバーエージェントのデザイナーの方で、視伝研というデザインを楽しく研究するチームで活動している方でした。伊藤さんは、デザインに取り組む際、
「仕事としてのデザイン」→社会から求められるスキル、利益の追求をする
「楽しむためのデザイン」→自分から求めるスキル、売り上げ関係なく考える
という2軸を重ねたものづくりをしていると話されていました。
コンポーネント図鑑を作ろうと思った背景は、コンポーネントに対する苦手意識を感じたことがきっかけだそうです。
例えば、Google Material Designなどのデザインシステムのコンポーネント説明は、実務で使うシーンが想像しづらかったり、情報量が多く読むハードルが高いと伊藤さんは感じていたそうです。その結果、ポケモン図鑑のような形で楽しく眺められる仕組みがあれば、デザイン初学者の苦手意識を減らせるのではと考えました。
ポケモン図鑑の魅力を探るところから始め、コンポーネントに落とし込んでいき、完成したコンポーネント図鑑はコンポーネントの一般的な動きや役割を一目で把握できる内容となっていました。公開されているコンポーネント図鑑は、いつも使っているコンポーネントが生き物のように紹介されており、可愛らしくてとてもワクワクするものでした。
成功するデザインの基盤は?実例から紐解く、共感の重要性
栃尾 行美
株式会社グッドパッチ | クリエイティブディレクター
次に印象に残ったのは、グッドパッチのクリエイティブディレクター栃尾さんのセッションです。食材宅配サービス「コープデリ 宅配アプリ」のリニューアル事例を通じ、共感を基にしたデザインの重要性について話されました。
「成功するデザインとは、ファンが増えている状態」と栃尾さんは定義しました。一方でファンではない人たちは、価格などの条件で選んでいるケースが多く、より安価なものが出てきたときに乗り換えられてしまうリスクがあると指摘します。
ファンが増えることには、口コミ効果、ブランド価値の向上、競合との差別化といった大きなメリットがあるといいます。そのため、「利用者に選んでもらう理由」を作ることが重要だと話されていました。
その手段として、私たち自身の想いや社会全体の課題、利用者の想いを掛け合わせることで、ブランドが何のために存在するのかを明確にし、共感ポイントを作り出すことが大切だと説明されました。
また、愛されるブランド作りのプロセスとして、以下のステップを挙げていました
1.主観での評価
プロジェクト開始時に、気になる点ややりたいことを全て書き出してみる。後から立ち返る際、その時の純粋な気づきを残しておくことで、進行中に薄れがちな初期の視点を思い出せるようにするためだそうです。
2.理想を描く
現実の制約を一旦横に置き、自分が思い描く理想のデザインを考える。このプロセスは楽しくデザインすることに繋がり、モチベーションも高まるそうです。
3.クライアントの想いを引き出し反映する
利用者や社会の想いだけでなく、クライアント自身が抱える課題や想いも深く引き出して反映させる。
4.伝えるところまで並走する
デザインは作るだけではなく、それをどのようにクライアントや利用者に伝えるかまでを含めたプロセスが重要だと強調していました。
特に「理想を描く」という段階では、例えば理想のランディングページを自由に設計してみるといったことを行うそうです。この中で、どのようなビジュアルが心を動かすのか、使い心地や機能の要素が本当に必要かどうかを洗い出しながら見極めていくとのことでした。
栃尾さんは、デザインを通じてただ形を作るのではなく、ファンを作り、ブランドの価値を高めるための共感ポイントを見つけ出す重要性を繰り返し強調していました。
学び
お二人のセッションに共通していたのは、「仕事や学びを楽しむ姿勢」でした。毎日の業務や、そのための学びを楽しいと感じられるかどうかで、成果には大きな差が生まれます。どうせ取り組むなら、楽しみながら進めることで新しい視点に気づいたり、寄り添ったデザインが生まれたりするという話は、とても印象的でした。
私自身、一度苦手意識を抱いてしまうと、その後なかなか克服するのが難しいと感じています。
そんな中で、伊藤さんや栃尾さんが話されていた「どうしたら楽しく学べるか、楽しくデザインできるかを自問自答しながら本質を探究していく姿勢」にはとても刺激を受けました。この考え方は、苦手だから避ける、または嫌々調べるという姿勢ではなく、楽しみながら学ぶ方法を模索する姿勢を養うきっかけになると感じました。
日々の業務の中でも、苦手意識を乗り越えるために、「どうしたら楽しく学べるか」を立ち返って考えることは、新しい視点やより良いアウトプットを生む大切な考え方だと思います。私もこのアプローチを取り入れていこうと思います💪
セッション以外も魅力的
会場は、コンセプトにあるように音楽フェスのような雰囲気で、DJの方がいたり、LOVOTというかわいいロボットたちがお出迎えしてくれて、とても賑わっていました。
ドリンクブースではオリジナルのクラフトドリンクが提供されていたり、環境にも配慮されたパッケージのオリジナル商品などが販売されていました。また、カフェスペースでは深煎り・浅煎りのコーヒーが選べて、挽きたてのコーヒーとお菓子もいただけました!カレーの提供も行っており(私は整理券をもらい忘れ、一口を分けてもらいましたが)、お弁当や押し寿司など、提供されている食べ物のクオリティが高かったです。美味しい食べ物があるだけでテンションが上がるので、結構大事だなと思います。
企業の出展ブースでは、ブース前で企業の方が気さくに話しかけてくれるので、立ち寄りやすかったです。例えば、カードを3枚集めるとガチャガチャのパスワードが発行され、オリジナル靴下をもらえる株式会社ビットキーさんの体験型のブースなどがあり、楽しみながらデザインに触れることができました。
最後に
デザインイベントへの初参加で、セッションを聞き、デザインに触れることで大きな刺激を受けました。AMA(Ask Me Anything)や1on1の機会を活かせなかったのが心残りですが、次回はより積極的にコミュニケーションを取っていきたいと思います!
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