「コラヴァン」を3か月使用してみて・・・良いこと悪いこと
ワインが好きな方なら知っている人は多いと思いますが、ワインバーシロッコでは「コラヴァン」を使っています。
ざっくり言うと、コルクを抜かずに代わりに針を刺してその針の中を通してガスをワインボトルに送り、そのガス分ワインが出てくる仕組み。
うまく説明できない・・・
酸素に触れずコルクは密閉されたままワインを楽しむことができる道具、ですね。
さて、そんな「コラヴァン」をお店のオープンから使ってますが、その感想を。今のところあまり実際に使用した感想というのはないみたいですしね。
結論から言うと、非常に良いと思います。やはりグラスワインとして出すと、何日も持たないですし、ロスも出やすくなりますが、基本その心配もありません。使いやすいですし、これからも使っていくつもりです。
とここまでは普通の感想ですね。
ここからは使用した実際の出来事を。別に悪口ではありません。
まず、使用していくコストが高い。ガスカードリッジがそこそこ高いです。使い方で差は出てくるのですが、
ガスカードリッジ1つをワイン1本7杯取りで3本分使えるか、くらいです。
これは使い方で結構変わるのであくまでも目安です! ガスカードリッジ1つ1200~1500円くらいしますからグラス1杯70円くらいのコストがかかってしまいます。だから安いグラスワインには使えません。でもワインが酸化してロスになるくらいなら使ったほうがいいのでここはちょっと難しいんですが。なのでグランヴァンなどに使う店が多いみたいですね。
コルクに針を刺すわけですが、グラスワインで提供する場合7杯どりなら最後の1杯はコルクは抜栓するとします。最低6回は針をコルクに刺すわけですが、刺すたびに穴が広がるのではないかということ。構造上、針はほぼ同じ場所に刺すことになるのでそのリスクはあるんじゃないかと。6回刺したワインからあからさまに中身が出てくることはありません。逆さまにしても大丈夫です。ただコルクから針を抜くときに一緒にワインも少し出てくることがあります。雑に抜いたからではなくゆっくり抜いても出てくるときは出ます。もしわずかなが開いていた場合はどう影響するか。
ある程度しっかりしたコルクを使ったワインでないと、何回か使用しているうちにコルクがだめになるような気がします。基本コラヴァンを使おうと思うクラスのワインはコルクはしっかりしてますが。
キャップシールを外さないとどんなコルクを使用しているかわからないので、針を刺していいか迷う場合があります。プラスチックコルクなんかは使えません。試しましたが針が気持ちよく入りません。硬いので余分に力が入る。針を折ってしまう可能性があるのでちょっと危険ですね。
1度コラヴァンにセットしたガスカードリッジが最後まで使い切るまで開けてはいけません。こんなことをするのは私だけでしょうが、1度新品のガスカードリッジをセットしたのですがしっかりはまっていないように感じたので再度外したところ、ぶしゅっつ、という音とともにガスが全部抜けたことがありました。いやあ、まぬけでした。ちょっと考えればわかることなのに。
1200円が一瞬で空気になりました。
そして味わいですが、50本以上のワインにコラヴァンを使用して、味が変わることはほとんどありませんでした。これはおいしい、おいしくなくなったといったことではなく、最初の1杯と最後の1杯の味の差がないということです。最初からやや酸化気味のワインもありますし。
最も長い期間が35日間です。コラヴァンを最初に使用してから最後までの期間です。差はなかったと思います。
ただ2本、味が変化したものがありました。コラヴァンを使用して、です。
1つはビオワイン。最初から味わいに、独特の麦っぽいというか、豆っぽい味わいが出ているワインでした。2日目、3日目とコラヴァンを使用してましたがその味わいは強くなっていき、4日目には飲めない状態までになりました。理由はわかりませんが、実体験ということで。
2つ目は赤のスティルワインです。3週間くらいでワインは半分ほどになりました。その時点では味わいの変化はありませんでした。4週間目に提供しようとしたところ、味が変わっていました。味わいはもちろん香りからして酒精強化ワインみたいになってました。
これは時間というよりも、コラヴァンの針の衛生上の問題かもしれません。もちろん汚くしているわけではありませんが、唯一ボトル内に入るわけですのでこれからより気を遣っていこうと思います。
「コラヴァン」ですが決して安くないのでそう気軽には買えないと思いますが、購入を迷っている方にはおすすめします。
悪いことを多く書いてしまいましたが、先にも書いた通り今のところプラスになることが多いのでこれからも使用していきます。コラヴァンに興味ある人は何でも聞いてください。体験上の範囲でお答えしますので。
これからも半年、1年たったら味は変わるのかということもやってみたいと思います。