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体力・運動神経0レベルでダイバーをめざす❶:それは2度の偶然からはじまった

最強のマシン(車椅子)を手に入れた私は、あちこち出掛けるようになった。
車+車椅子があればどこへだって行けるし、なんだってできる気がした。
それまで、カッコ良く言えばインドア派、素直に言えば引きこもり、だった私がアウトドア派に変身するなんて!
運動神経?・・・なんですかソレ、どこの神経ですか?
そんな私がスクーバダイビングのライセンスを取るまでの、だいぶ昔のお話です。


うららかな休日の午後。
ベッドに寝転んで、なに気なくバリアフリー雑誌(当時は2冊くらい刊行されていたのだよ)をペラペラとめくっている私の目に、『ハンディキャップダイビング』という文字が飛び込んできた👀

当時はちょうどオリンピック花盛り。単純な私は、「スポーツでも始めてみよっかな~♪」という気持ちになっていた。
車椅子生活になったので、歩いていた頃より断然行動範囲が広がって、いろんな場所に出かけたい気持ちが高まっていたからかもしれない。

「ハンディがあっても潜れる」という、その驚くべき事実は、私の脳裏の奥深くにしっかりと刻まれてしまった。

海辺の町で育った私は、海に対する恐怖心というのは特にない…というか海の怖さを充分知っていると言ってもいいくらい。そしてもちろん海は大好き。

泳げない、という事実は抜きにしても。


黄色い恋人

その頃、熱帯魚屋さんが会社の近くに出来て、私は「小さな黄色い恋人」によく会いに行っていた。名前はコンゴウフグ。それの幼魚。黄色い菱形の箱が泳いでいるような、それはそれはかわいくて不思議な生きもの。

飼いたいけど海水魚はめんどう。そんな話をしていたら「魚は海の中で見るのがいちばん自然」そう言ってくれた人がいた。ふぅ~ん、そうか、そんなテもあったのか…。

でもその時はそう思っただけ。

もちろん、生まれてこのかたスポーツにはまったく縁がない私。海に潜るとか想像もできない。今回もお約束の「思っただけ」にとどめておくつもりだった。

でも、運命はいたずらにも動き出していたのです。


ある朝、目覚まし時計代わりに掛けていたJ-Waveから、またしても『ハンディキャップダイビング』の言葉が・・・! 頭は眠っているはずなのに、ダイビングショップの連絡先をしっかりメモっている自分にビックリ。

ふつうならソコでまた「メモっただけ」に終わる私が、どうして重い腰をあげたのでしょう・・・。



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