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災害現場や軍事作戦等で活躍するワンちゃん達🐶

こんにちは。
元・国防男子/初級・中級幹部サポーターのMr.Kです。

経歴については、
幹部自衛官として13年間勤務し、主な経歴は第1空挺団、米国陸軍留学、陸自最高学府の指揮幕僚課程、在日米陸軍司令部、国連南スーダンミッション軍事司令部等で勤務してきました。

自衛隊を退職後は、民間企業で約4年間勤務し、現在は独立して活動しています。

詳しくは、こちらをご覧ください。


2021年7月3日に発生した静岡県熱海市における大規模土石流の自衛隊の災害派遣で航空自衛隊浜松基地から派遣された『災害救助犬』が活躍している映像が流れていました。

図1
図2

『災害救助犬』と呼ばれるのは、訓練に訓練を重ね国際救助犬連盟(IRO)の認定試験合格したエリート犬のことです。

国際救助犬試験の試験課目は、

🌈 適性テスト:救助犬としての基本的な能力、適性の簡易テスト(初級)(瓦礫/広域捜索部門)
🌈 瓦礫(がれき)捜索 :仮想災害現場(瓦礫、倒壊家屋等)を会場にして複数の仮想被災者を一定時間内に捜索する試験で、難易度に応じA段階(中級)とB段階(上級)がある。 いずれも服従と熟練作業の課目試験を伴う。

等があり、この他『水難救助』の試験もあるようです。

実は、僕の所属していた陸上自衛隊では軍用犬を使用したオペレーションは行われていなのですが、海上自衛隊や航空自衛隊では基地警備などのために犬が使用されています。


⏩ 軍用犬とは

空港等で麻薬を探知するための麻薬犬や盲導犬、セラピー犬等、目的別に訓練された犬はよく耳にすると思いますが、日本では『軍用犬』という言葉はあまり耳にしないのではないでしょうか。

『軍用犬』とは、軍事目的のために訓練された犬のことです。
犬は、人間よりも優れた嗅覚や視覚を持っているため、犬の持つ警戒・捜索能力が軍事のために活用されてきました。

軍用犬の役割としては、爆発物や地雷の探知負傷兵の捜索警備探知敵兵士との戦闘
その他、『対戦車犬』と言って、戦車の下に潜り込んで戦車を爆破させるというミッションを持った犬もいます。戦車は一般的にキャタピラーの部分や車体の下部等が弱点ですので、その弱点を狙った攻撃です。

写真は、ソ連軍の対戦車犬です。

図1

以前、北朝鮮軍の『対戦車犬』の訓練映像を見る機会があったのですが、衝撃的でした。爆弾を背負って勢いよく戦車の下に潜り込み自爆するんです。あっという間に、一匹の訓練された犬の命が失われてしまいました。

⏩ 軍用犬の歴史

日本では、軍用犬は南北朝時代から活用されてきたとの記録があります。

近代戦においても、第一次世界大戦、第二次世界大戦、湾岸戦争、イラク戦争などにおいても軍用犬が投入された作戦が行われてきました。

大東亜戦争時、日本陸軍は約1万頭の軍用犬を所有しており、警備や伝令等の任務が付与されていたようです。しかし、戦時中の食糧難から食用とされた犬もいたという話もあります。

軍用犬の『出征式』の時の写真です。犬も日本のために戦ってきたんですね。

図3

最近ではビンラディンの急襲時に米軍の特殊部隊の作戦に軍用犬が投入されていますし、ISの最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者の急襲作戦にも投入され、同容疑者を追い詰めた軍用犬が話題になりました。

図1

⏩ 自衛隊の軍用犬、警備犬

🦮 陸上自衛隊

冒頭でも述べましたが、陸上自衛隊では軍用犬は使用されていません
昔は軍用犬が使用されていたようですが、ハンドラーの育成や練度維持の困難性から使用されなくなったようです。

陸上自衛隊の特殊部隊、『特殊作戦群』の訓練では軍用犬を使用した訓練が実施されています。

🦮 海上自衛隊

海上自衛隊では、『警備犬』と呼ばれています。
基地警備任務にあたっており、警備犬使用の歴史は航空自衛隊よりも長いです。

図3

🦮 航空自衛隊

航空自衛隊での犬の活用は1961年に始まり、当初は『歩哨犬』と呼ばれていて、後に『警備犬』と改称されたそうです。

航空自衛隊では埼玉県の入間基地の『警備犬管理班』において、全国の航空自衛隊の基地で使用される警備犬を一括して訓練して各基地に送り込んでいます。

全国に300頭ほどいるようです。

⏩ 各国軍で活躍する空飛ぶ軍用犬

軍用犬の中には、空から降下をする犬もいます😊
もちろん、自分でパラシュート🪂を背負って、ある高度に達したらパラシュートを開いて目的地に着地というわけにはいきませんが、降下する際にはハンドラーと一緒に航空機に搭乗して降下します。

先日のニュースで、ロシア軍の軍用犬が高度13,000ft(4,000m)から降下したとのニュースがありました。軍用犬は降下中も取り乱すことはなく、着陸後も隊員の指示に従うほどの落ち着きぶりを見せたそうです。

このような常軌を逸した訓練でも取り乱すことなく冷静に訓練を遂行することができるのは、ハンドラーとの信頼関係がしっかりと確立されているためでしょう。

世界には、凄い犬がいるもんですね。

図5

⏩ 最後に

僕は水族館が好きで、よく水族館にイルカショーなどを見に行きますが、犬に限らず訓練された動物って凄いですよね。

飼育員、ハンドラーの方々の教育の賜物ですが、トレーニングを経て通常では考えられないような能力を持つ動物達には感動してしまいます。

軍用犬や警備犬はそれぞれの場で活躍していますが、今後は犬の役割をロボットが取って代わる時代が来るかもしれませんね。

既に、兵士の荷物を運搬するための犬型ロボットは実用化されています。
写真のような山道、不整地でも歩行可能です。

図4

米海兵隊が使用する四足歩行ロボットの2014年時点の動画です。
当然のことながら、今ではもっと能力、精度は向上しています。

僕が空挺団所属時代は、行軍訓練で重い荷物を持って散々歩いてきましたが、このロボットがあればかなり楽なんだろうなとこの動画を見たときに思いました。

これからの軍事科学技術の進歩によって、どのように戦い方が変わってくるのか楽しみですね。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

今日も皆様にとって良い一日となりますように!

元・国防男子/陸上自衛隊応援団/初級・中級幹部サポーターのMr.K


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🇯🇵元3等陸佐Mr.K | 初級/中級幹部のキャリアサポーター
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