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🐇⑤ただの素人だった私が【大和なでしこ】になるまで

↑の続きです。

<前回までのあらすじ>
「大和なでしこになりたい!」と思い、着付け教室とは別の学ぶ場所を探していた私は、偶然参加したマナー講座で、一目で只者ではないと分かる先生(のちの師匠)と出会ったのだった。

15年待ったんだ!このチャンス、逃してたまるか!!


「大和なでしこになりたい!」と決意してから15年。
ついに、私は「この方こそ、まさに大和なでしこ!」と思える方に出会えたのでした。

何も言ってないし、何もしていない。
ただ静かに正座しているだけなのに漂う緊張感と清らかな雰囲気。

そこらの一般人とは明らかに一線引いた、超一流の風格!

マナー講座の内容は、たしか……姿勢を正しての歩き方や立ち方だったような気がします。
残念ながら詳しく覚えておりません。
それどころではなかったからです。

(この御方なら、間違いない着付けと茶道が学べるところをご存知のはず! 講座が終わり次第、絶対にうかがいたい!)

やっとつかまえた理想の大和なでしこになれるチャンスを絶対に逃してなるものか、と目をらんらんとさせながら、講座が終わるのを今か今かと待っていました。

後日、この時のことを先生から伺ったところ、「あのとき、一人だけ様子がおかしい子がいるって思ったのよね」と言われましたので、このときの私は相当やばかったと思います。

大和なでしこになるために学ぶべき3つのこと

講座終了後、ビビりの私は自分が持てる全ての勇気を振り絞って、先生に詰め寄りました。

マリナ「私、大和なでしこになりたいのですが、どうしたらいいでしょうか!? 着付けと茶道を学べばなれるでしょうか!?」

何も知らない素人、しかも今しがた会ったばかりの若輩のくせに、突拍子もない質問をしました。

何が無礼だと分からない素人だったからこそ出来た行動でした。
色々学んだ今では、恐れ多くて、とてもこんな真似は出来ません。

鼻息荒く質問した私に、先生は優しく微笑まれました。

先生「そうね。大和なでしこになりたければ、着付けと茶道は絶対に必要ね」

なんとびっくり! 私が考えた大和なでしこになるプランは当たっていたのでした!

(先生のお知り合いに着付けの先生と茶道の先生はいらっしゃるのかな。紹介してほしいって言ってもご迷惑じゃないかな)

聞こうか聞くまいか私が悩んでると、先生は指を三本立ててみせ、

先生「着付け、茶道、日本舞踊──この3つを学べば完璧。鬼に金棒よ」
マリナ「鬼に金棒!?」

鬼だけでも最強なのに、金棒まで持ってしまったら、まさに最強じゃないですか!

ということは、着付けと茶道にくわえて、日本舞踊も学べば、向かうところ敵無しの大和なでしこになれる!?
そんなのやるしかない!!

(やろう! 日本舞踊! ……あれ? ちょっと待って)

日本舞踊ってなんだっけ?
歌舞伎役者さんや舞妓さんが踊るあれだっけ?
白塗りの化粧をして日本髪に結いあげて、高級な着物を着て、お扇子をひらひらするやつ。

(え? あれを私がやるの?)

自分が踊っている姿がさっぱり想像出来ません。
音感なくて運動も苦手な私には絶対に無理だと思いました。

先生「私のところで学ぶなら、踊りの他に着付けも教えてあげるわよ」

(それは大変有難いのですが、踊りたくないので着付けだけお願いしたいのですけれど……)

先生「着付けは着物、茶道は和室の扱いや丁寧な所作は学べるけど、日本舞踊でないと立ち居振る舞いは学べないのよ
マリナ「やります!!」

この瞬間から私の大和なでしこ修行は始まったのでした。


続きます。


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