「ジャッジしない」ではなく、「意味付与の観察」をしてみる
「ジャッジしないほうがいいよ」
「他人をジャッジしてるとしんどくなるよ」
なんて言われたことがある方、聞いたことがある方、あるいは言ったことがある方いらっしゃるのではないでしょうか?
なんとなく分かるけど、「ジャッジをしない」ってよくよく考えるとどういうことなんだか分かりづらくありませんか?
「〇〇する」って分かりやすいけど、「〇〇しない」って、行動指針として分かりづらいんですよね。
「ジャッジしない」ってどういうことか、最近自分なりに分かりやすく説明がついたので、記録として書いておこうかなと思います。
生活の基盤となっている「ジャッジする」という行為
そもそも、日々起こる一つ一つの出来事に対してジャッジを加えないというのは、ほぼ不可能に近いのです。
私たちは日々様々な出来事、物事、発言、行動に対して「これはこういうことだ」とジャッジをしながらでなければ生活できません。
信号が青ということは、安全に道を渡れるんだ
トイレの入り口にスカートをはいた赤い人のマークが書いてあるから、ここは女性用トイレなんだ
カメラの絵の上にバツが書いてあるから、ここは撮影禁止なんだ
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何をするにも判断が必要な暮らしをしています。
ジャッジするというのは、息をするのと同じぐらい自然に起こっている、私たちの社会的生命線ともいえる行為なのです。
だから、「他人をジャッジしてるとしんどくなるよ」と言われて分かっていたって、ジャッジするのはそう簡単にやめられることではない。
それに、多分それを言った人も実は「ジャッジをやめなさい」と言っているわけではないのです。
じゃあ、「ジャッジしない」ってどういうことなのか。
「ジャッジしない」=「私が物事/発言/行動にどんな意味付与をしたか観察する」
「ジャッジしない」とは実際のところ、
「私が物事/発言/行動にどんな意味付与をしたか観察する」
ということなんじゃないかと思います。
何かをジャッジする時、その前段として起こった出来事/向けられた言動に意味を付与するステップがあります。
例えば、あなたの友人が昨日と今日で違うことを言ってきたとします。
昨日と今日異なることを言っているという事実に相対する
昨日と今日異なることを言うという行為に対して「何かを誤魔化すための行為」という意味づけをする
この友人は信用ならないぞ、というジャッジをする
こんなステップを踏んでいるんじゃないかと思うんです。
大概私たちは2のステップは無意識にやっていて、いきなり1から3に飛んでいます。
でも実際のところは2のステップにこそ、自分の価値観や今の心理状態が現れている。
「私の周りってイヤなやつばっかり」
「うちの旦那マジ役立たず」
そのジャッジをするにあたって、
相手のどんな言動に
どんな意味を見出したのか
が分かると、自分の思考パターンが見えてきます。
起こった出来事に、向けられた言動に、意味を付与しているのは自分の思考なのです。
相手の言動は相手の思考の表れではなく、あくまで自分の思考パターンによって意味付与されているなのです。
「また皿洗ってない!
本当に家事に全く協力する気がないんだから!」
皿を洗わないという行為に対して、家事に協力する気がないという意味付与をしているのは自分の思考。
相手は違うことを考えているかもしれない、それどころか何も考えていないかもしれない。
いやむしろ、皿の存在にすら気が付いていないかもしれない。
(それはそれで腹が立つんですが…)
2のステップを飛ばすということは、自分の思考の手綱を握れていない、思考を野放しで暴走させているのと同じこと。
だから、思考の手綱を握るために2のステップ、起こった出来事/向けられた言動に自分がどんな意味を付与したのかを認知しておく必要がある。
必ずしもネガティブなことだけでなく、ポジティブなことや、どうでもいいことでもこれやってみると結構自分の好みなんかも見えてきて面白いです。
Twitterなんかをみてて、
「この人ミーハーだなぁ」
なんて思うことありませんか?
正に他人に対するジャッジなんですが、Twitterでしか付き合いのない人にジャッジをするということは、その人のツイートに対して何かしら自分が意味付与をしているということなんです。
「私が物事/発言/行動にどんな意味付与をしたか観察する」
これはイライラやしんどい気持ちを乗り越えるのにももちろんいいんですが、好ましいと思うもの、嫌だと思うもの、自分の指向性を掴むのにもとても役立ちます。
「今起こったこと、言われたこと、されたことに、私はどんな意味を付与したかな?」
ふとした瞬間にちょっと確認してみてください。
物事には多角的な捉え方があって、自分はこの捉え方を「選択した」ということを認知しておくだけで、結構人間関係のしんどさは解消したりします。