観光コーディネーターという仕事29
9月も後半になり、ようやく涼しくなってきましたが、8月はひたすら暑さとの戦い。暑くて苦しかったことしか記憶にないなあと思ってスケジュールを確認したら、いろいろと充実していたようです。
トップ画像は、猛暑が続くのに、空だけ秋が来ていた大槌のある日の空です。
大学ゼミ旅行や視察の受入れ
今年は、大学のゼミ旅行が増えました。
私が現地対応したもののほかにも、大槌町の合宿・学習旅行助成金を利用し、大槌町でフィールドワークをしてくれた大学もありました。
淑徳大学様
私の先輩&師匠であり、姉のような存在である淑徳大学の千葉千枝子先生が、三陸に学生を連れてきてくれました。
メインは釜石での活動ですが、大槌町では、花ホテルはまぎくで、支配人・立花氏と私のお話&交流会を実施。明るくて元気な学生さんたちが目をキラキラさせて話を聞いてくれると、私もつい調子にのってしまいます(笑)。
楽しい時間をありがとうございました。
神戸学院大学様
神戸学院大学の安冨先生のゼミ旅行は、2年連続。今年も大槌町を選んでくれて本当にありがたいです。
内容は、大槌町では吉里吉里国で薪割り体験&代表・芳賀氏の講話&防災食づくり・昼食。
そのあと、(昨年は大槌町で震災学習をしたので)釜石の「三陸ひとつなぎ学校」の伊藤さんの震災ガイドを受けました。
吉里吉里国での防災食づくり体験は、最近実施しているプログラムで、子どもから大人までぜひ多くの方に体験していただきたいプログラムです。
今回釜石・鵜住居で起こったことを知り、実際に歩きながら学ぶ伊藤さんのガイドをひさしぶりに私も受けました。震災学習は三陸各地域、それぞれの学びがあり、そしてガイドの手法も異なります。
大槌町だけでなく、お客様のコーディネートをしている以上、もっと外のことも学ぶ必要性を感じました。
そして、大槌町だけでなく、三陸全体の魅力を伝えられる人材になるのが、震災後にこちらに移住した私の役目だろうと改めて思いました。
JAピンネ女性部様
地域おこし協力隊のドラゴンがお世話になった北海道のJAピンネの女性部6名様が、大槌町での視察研修を希望しており、コーディネートをしました。
女性ハンターのお話を聞きたいなどのご要望を聞き、MOMIJI、サーモン養殖、そして震災語り部を2日間参加していただきました。
とても明るくて楽しい方々で、こちらも2日間とても楽しく仕事ができました。
(大槌でお買い物もたくさんしてくれました!)
その様子は、↓をご覧ください。
旅行業務取扱管理者研修
大槌町観光交流協会ではこのたび「旅行業登録」をしました。
私が、前職場で「いつか取得する時に管理者の資格者が必要になる」と、自費で独学で「旅行業務取扱管理者」の資格を取っていたこともあり、2年前から協会で登録するという話が出ていました。
登録にはお金もかかるし、観光協会ではこれから観光業務をどう考えていくかが問われるため、構想からずっとフリーズしていて、「ま、いいか」と思っていましたが、今年に入り動き出しました。
同僚・古屋さん(元行政職員)が私の苦手な手続き関係をしてくれたおかげで、無事登録しました(私では無理だった)。
観光協会が旅行会社の事業をするわけではありません。
ではなぜ必要になってくるかというと、
観光地でもなんでもない無名のアクセスの悪い町で観光客を誘客するには、
そこに行かなくてならない「動機」「理由」をつくる必要があります。
とはいえ、ハード施設をつくることはできないので、「動機」「理由」をつくって誘客していくには、町にもともとある、よそものにとって魅力あるもの「人・食・文化・自然」を体験プログラム化し、受け入れできる体制をつくることが一番の近道です。
そのときに旅行業をもっていると、「足」と「宿」の手配等ができるようになります(ざっくりと言っています)。
とくに「足」の手配は、公共交通機関がほとんどない町、しかも徒歩での移動が難しい町には、誘客の大きなポイントになります。
なので、今回の旅行業登録は、観光協会の新たな事業・収益ではなく(収益にはなりません)、大槌町にとって観光という産業を盛り上げるための第一歩と捉えてもらえるといいなあと思います(願います)。
前置きが長くなりましたが、登録にあたって、必須である管理者の研修を受けました。
久しぶりの勉強で、とても疲れました(笑)。
助成金申請4本
今年度の大きな観光系助成金に、ことごとく落選してしまった大槌町。
小規模のものに懲りずに応募しています。8月はなんと4本もの申請書をつくりました。
このなかで、吉里吉里国さんと一緒に実施する「テントサウナ事業」が通りました。新たな挑戦に、ちょっとワクワクしています。冬に実施します。乞うご期待。
教育旅行の商談会
東京と札幌で岩手県観光協会主催の教育旅行商談会があり、大槌町を代表して参加してきました。
ここでも何度も書いているような気がしますが、大槌町には、多くの町民の方が以前から取り組んでいることがそのまま学びプログラムになりうる物事がたくさんあり、学びの町として、教育旅行の受け入れを「町が面となって」受け入れることに、地域活性化のためのひとつの突破口があると私は思っています。
質の高い震災学習の受け入れをしている団体もすでに活躍しているので、突破口の壁も他地域よりも高くないと思います。
現に、大槌町のコンテンツは商談会でとてもエージェントの反応がいいです。
アクセス(大槌に寄ると大きな時間的ロスになる)と学校の予算、大人数を収容できる施設が課題ですが、質の高いコンテンツを提供しコーディネートができれば、アクセスと料金のマイナスがあってもきてくれる学校が増えるはずです。
同じ思いをもつ仲間が増やし、よりいっそう「大槌町は教育旅行を推進していくといいよ〜」と訴えていきたいと思います。
また、いくら素晴らしいコンテンツやプログラムがあっても、それを外に「ぜひ大槌町に来てください! お願いします!」と「売り」に行かなければ、お客様は来ません。
引き続き営業をコツコツと続けていきます。
三陸大槌町郷土芸能かがり火の舞
郷土芸能の「かがり火の舞」といえば大槌町というのも、だいぶ認知されてきたと思います。
今年度のかがり火の舞定期公演も、たくさんのお客様に来ていただいており、8月も悪天候で順延となった日がさらに雨で室内公演となるという、イレギュラなこともありましたが、みんな慣れたもの。本当に大槌町の郷土芸能団体の方々は、心強いです。
そんななか、「かがり火の舞SP」も実施しました。実は春にも1回実施していたのですが、貸切特別公演です。もちろん、薪代、人件費、照明設置など、経費がかかるため、貸切料金は少し高いですが、お客様(インバウンド)には大変喜んでいただき、今後もご希望があれば実施していきたいと思います。
そのほかもろもろ
そのほか、8月は、すでに大槌町の代表的コンテンツとなった「地引網体験」のイベント、「おおつち里海ダイビング」のモニターイベントを実施したり、海水浴場の情報発信(朝に遊泳可否情報を発信するのが、ねぼすけの私には辛かった)、「海と希望の学校onさんてつ」「ジャパンツーリズムEXPO」「大槌まつり」「9月の商談会」の準備など、大忙しでした。
そして、来月(というか今月9月)、とうとう私の体が悲鳴を上げ、体調不良の悪循環に陥っていくのでした。
この話はまた次回に。乞うご期待?