十数年ぶりの手首の傷跡
十数年ぶりに手首を傷つけた。
昔と違って今の剃刀はご丁寧にガードが頑丈で
それを気にせず力いっぱい引いた。
それでもかすり傷だった。
それでも足りなくて今度は昔より切れ味のよくなった
カッターナイフを用意した。
ミミズ腫れが無数に出来ただけだった。
何もかもが嫌になって子供のように泣いた。
明日なんか来なければいいし
全部来世頑張るから、もう早く転生したいって
そればかりを願った。
来世が虫だろうが魚だろうがなんだろうがどうでもいいから
早くこの人間の形をした私を終わらせた