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10年後の自分に“ありがとう”と言われる選択を【マリモソーシャルソリューションズ代表 岡崎健治】

2000年にマリモに入社して以来、分譲マンション開発事業を皮切りに、リーマンショック時の新規事業や海外事業など、常に新しいことに挑戦し続けてきた岡崎健治さん。現在は、2024年に新たに設立されたマリモソーシャルソリューションズの代表を務めています。「常に与えられた環境で全力を尽くしてきた」と語る岡崎さんに、これまでのキャリアや思い、そしてマリモソーシャルソリューションズが描く未来について伺いました。

【プロフィール】
氏名:岡崎 健治

所属:マリモソーシャルソリューションズ代表
社歴:2000年中途入社。2001年に所長、2005年にブロック長に就任、2006年に30歳で最年少執行役員に就任。2012年からマレーシアプロジェクトの立ち上げに取り組み、2014年から海外投資家へ日本の不動産を販売するインバウンド事業の指揮を執り、2016年株式会社LIFULLに事業譲渡事業売却に伴い退職した後、2020年に再入社。
趣味:ゴルフ、トレーニング


常に「新しいこと」に挑戦し続けてきたキャリア

──マリモに入社された経緯を教えてください。

1999年、就職氷河期の中で就職活動をしていた私は、学生時代にワーキングホリデーでオーストラリアに行ったり、バックパッカーとして世界を旅した経験が評価され、いくつかの会社から内定をいただきました。その中で、東京にある先物取引を行う金融企業に入社することにしました。親からは反対されましたが、「営業のトップ5に入ればアメリカのMBAに行ける」という話に魅力を感じたからです。

しかし、入社直後に父親が倒れたため、広島へ戻ることになりました。転職活動をする中で、学生時代に取得していた宅地建物取引士の資格を活かし、不動産関係の仕事を視野に入れました。そこで出会ったのがマリモです。面接では、現在の会長である深川から「面白いやつだな」と言われ、創業者である深川の父とも2日間話し込む機会をいただきました。当時は社員20名ほどで、分譲マンション開発のみを手がけていましたが、「ここから全国にマンションを展開していくんだ」という勢いに魅力を感じ、入社を決めました。

──マリモの事業が拡大していく中で、印象に残る転機はありましたか?

大きなターニングポイントは2008年前後のリーマンショックです。当時、マリモはマンションデベロッパー一本でやっていましたが、銀行融資が止まり、新規のマンションを建てられなくなりました。多くの不動産事業者が苦境に立たされる中、私たちは他社が売り切れずに抱えている在庫物件を買い取り、再販売する「買取再販事業」に挑戦しました。責任者として取り組む中で、1つ目のプロジェクトが成功し、キャッシュを生み出すことで乗り切ることができましたが、失敗すれば会社が潰れるというプレッシャーは凄まじかったです。

このリーマンショックを契機に、2010年頃から「マンション開発だけに頼らない」という多角化方針を打ち出しました。実際に事業は増え、2020年には商業ビルやオフィスビルの開発、不動産賃貸などを行う総合不動産デベロッパーになることができました。

──その後、一度マリモグループを離れた時期もあるのですね。

マリモの中で海外投資家向けに日本の不動産を紹介するインバウンド事業を担当していた頃、会社全体の戦略で事業整理の動きがありました。売上・利益がまだ小さかった私の部署は解散するか、他企業に譲渡するかを迫られましたがチームを残したい思いから、私はメンバーと共に譲渡先の会社に移りました。

そのときは「マリモには戻らないだろう」と思っていましたが、譲渡先の会社での事業拡大が難しくなり、マリモの深川会長から「戻ってこないか」という声をかけられました。40代以降の人生を考えたとき、「お世話になったマリモに恩返しをしたい」という気持ちが強くなり、復帰を決めました。

10年後、盤石の事業基盤を後進に渡すために

──現在はマリモソーシャルソリューションズの代表を務めていますが、どのような会社なのでしょうか?

マリモグループ内で社会課題解決型の事業を推進するために2024年に設立された組織体です。マリモグループでは、2021年から10年ビジョンとして、不動産に限らず、ソーシャルビジネスを中心とした新規事業を強化することを掲げており、ソーシャルビジネスをいくつも展開していました。これまで事業部やグループ会社に点在していた社会課題解決型の事業を集約し、「公共・福祉」「地方創生」「ウェルネス」「グローバル」「IT」「環境衛生」の6つの領域に特化して取り組む方針を立てたのがマリモソーシャルソリューションズです。

──なぜ不動産以外のソーシャルビジネスに挑戦するようになったのでしょうか?

マリモの中では「土俵の真ん中で相撲を取れ」とか「渦の中心になれ」とよく言いますが、会社としての経済状況が悪くなる前に、新しいことに挑戦して事業の柱をつくるべきだと考えています。その背景には、リーマンショックなどを経験して「不動産だけでは将来の変動に対応しにくい」という危機感があります。

また、ビジネスは課題解決から成り立つものですが、グローバル化や人口動態の変化など、社会課題は刻一刻と形を変えています。不動産事業も社会課題を解決する事業だと考えていますが、不動産以外でも社会課題が山積している領域が多い。そこに事業を展開することで、社会にも貢献しながら企業としての成長エンジンを生み出したい。その思いが「社会課題を解決する事業に本格的に挑戦しよう」というビジョンにつながっています。

──この会社を率いる上で、岡崎さん自身はどのような思いをもって取り組んでいますか?

現在は創業期にあり、まずは5年、10年で確実に黒字化し、盤石な事業基盤を築くことを目指しています。2021年以降に立ち上がった事業を整理し、数字の「見える化」と「解像度の向上」に取り組んでいる最中です。一方で、常に選択と集中が求められる場面があり、やむを得ず別の事業を精算することもあります。

私からすると、マリモソーシャルソリューションズはすでに土俵際にいるような感覚です。「明日リーマンショックと同じことが起きたらどうなる?」と常に考えています。それに、マリモ全体の事業規模から見れば、まだソーシャルビジネス部門はメインストリームではありません。だからこそ早く軌道に乗せて、メンバーが誇りを持って働ける場にしていきたいですし、未来のメンバーたちにバトンをつなげる形にしたいですね。

今の自分ではなく、10年後の未来の自分の判断に委ねる

──「新しいこと」に挑戦を続ける岡崎さんが、仕事をする上で心がけていることを教えてください。

私の場合、「与えられた場所や役割で全力を尽くす」という意識が強いです。目の前の選択が良いか悪いかは、今の自分ではなく、10年後の自分が判断してくれると思っています。それは、これまでやってみたからこそ成長できた実感があるからだと思います。

会社や周囲が「新しいことをやろう」と言い出したときに、真っ先に取り組ませてもらってきました。やめたいと思うほど大変な局面が何度もありましたが、その分成長できたと感じています。「まずはやってみる」がモットーですね。

もうすぐ50歳の誕生日を迎えますが、40歳の時に決めたのは「10年後に50歳の自分と出会うから、その時の自分がありがとうと言ってくれる人生を送ろう」ということでした。何が向いているのか、何ができるかを考えることも大事ですが、まずは置かれた場所でどれだけ咲けるかしか考えていませんね。

あとは何より、部下やチームのメンバーが成長して、我々世代が退いた後を継いでくれる環境を作りたいという気持ちが常にあります。

これからの10年が作る大きな成長のチャンス

──最後に、マリモソーシャルソリューションズに興味を持つ方へのメッセージをお願いします。

創業期なので、やるべきことや決めるべきことがたくさんあり、混沌としている部分もあるかもしれません。でも、新しい挑戦が好きで、多少の困難も成長のチャンスと捉えられる方には、ものすごくやりがいのある環境だと思います。

私自身、入社当初は何も整っていなかったからこそ、自分たちで築き上げるプロセスを通じて大きく成長する経験を積めました。大変ということは、大きく変われるということ。大きく変われるということは、成長できる環境があるということです。ソーシャルビジネスや社会課題解決に興味がある方はもちろん、「新規事業の立ち上げを担いたい」「荒削りでも思い切り成長したい」という方は、ぜひ扉を叩いてみてください!

編集後記
リーマンショックを乗り越えた経験や、海外事業への大胆な飛び込みなど、挑戦を続ける岡崎さんの行動力や覚悟、そして、なぜ不動産会社がソーシャルビジネスに力をいれるのか、10年先を見据えるマリモグループの思いと長期的ビジョンが強く伝わってくるお話でした。

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