21.結婚の奴
夫と旅行しているときに、ふと「今まで、旅行先ではおいしいものを食べるのが目的で、建物とか景色とか興味なかった」と私が話したら、夫が「俺は逆だった。金がなかったから景色とか建物ばかり楽しんでで、ご飯は安いところですませていた」と。
結婚してから私は夫といると旅行先の建築物も景色も楽しめるようになり、夫は私と一緒だと旅行先でお金出してでも美味しいところでご飯を食べるのは楽しいことだと気がついたようで、いい発見。で、私は突然、人って1人で生きていくとどこかで頭打ちになるんじゃないかなと気がついた。
今まで、結婚できたのはたまたまだったから結婚していない人生も楽しかっただろうか、と考えていたけど結婚しなかった場合、なおさら人との関わりを積極的にしないといけないし、1人で楽しく生きていくのは無理だと悟った。
結婚や、恋人の有無ではなく、友達でも、家族でも仕事さきの仲間でも、誰かと常に関わり続けないとダメだろと。オードリーの若林も言っていた。
20代の頃は逆に1人の時間が大事になるし、孤独と向き合うことも大事だけど、それをやり尽くした30代以降は誰かと生きる方がいいんじゃないかなっと。
そんなことを思い始めたときに、能町みね子さんの「結婚の奴」を思い出して読んでみた。で、やっぱり能町さんも同じようなことを書いていて、ますます私は確信を持ち始めてきた。
自分のことを何十年も大切にすることってかなり難しい、人生の30年ぶんぐらいは自分に割いてもいいけど、残り40年も50年も自分のことばかり考えるのはつらい。ご飯も、洗濯も確かに20代の頃までは頑張れた。でも、たくさん作るとそのあと2〜3日同じものを食べないといけないから飽きてくる。掃除も、別に誰も呼ばないし、彼氏もいないとどんどん汚くなった。汚いというか、ものに溢れていった。彼氏がいても私の部屋に呼ぶのが億劫だし、私の部屋をみて何かを感じとられるのも嫌だった。そうなると、呼んでも気にしないセフレばかりが家にあがる。
一人暮らしをして8年目にして初めて、今の夫を家に呼んだら「家が汚いから呼びたくないって本当だったんだね。てか、この状態でよく呼べたね」と言われ、この家って汚いんだと気がついた。8年目にして。
そういう経験があるので、能町さんがサムソンさんと暮らしてから、「生活」を意識し始めていて、確かに人と暮らすのは生活だよね。と
でも、人と暮らすことが生活と思うには、まずは1人で生活することも大事よね。
峯岸みなみさんのコラムをここで思い出したり(本当にいいコラムだった。)
内省しなさすぎると、無意識の優越感で自分自身が見れなくなるよねと、アガサクリスティーの「春にして君を離れ」を読んで思ったので、やはり自分の人生に向き合ったからこそ人との関わりを求めるよねと気がついた春でした。
良い時期に読んだな〜と満足。
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