35．岡山女

去年もこの時期に岩井志麻子にハマっていたね。今年も涼しくなるまではホラーを読んでいきたいなと思います。ぼっけぇ、きょうていのあとの作品らしんだけどやっぱりこの話も霊媒師の女とその両親が出てきて、嬉しかった。前作にも他の作品にもちょいちょい出てくる（もちろん今作の親子ではないけど）この親子たち、嫌いになれない。生きるのにとにかく執着して、しぶとい力づよさがある。というか、岩井志麻子が書く、キャラはみんなそうか。儚い脆い人ってそんないないよね。
他の作品ではいつも主人公や主人公の旦那を誘惑する魅惑の女霊媒師なんだけど、他はあくまでも主人公の人生を翻弄するだけで何を思い、何を考えているのかはわからないミステリアスなキャラばかりだったけど、今回は物語の視線はタミエなのでスッと物語に入り込めたのもよかった。生きるのにタフ〜〜〜！！！絶対生き延びるぞ〜！っていう開き直りが良い。あと、親もそこそこタミエに情あるようだったしな。今までは地獄の貧困農村部が多かったので、まだマシな生活をしていたのも救い。

短編集だったけど、やっぱりどれも好きだな〜って選ぶのが難しいけど一番初めの『岡山バチルス』が一番好きだったかな。でも、『岡山ハイカラ勧商場』もタミエの普段の客層がわかって良かった。

次はべっぴんぢごくと黒焦げ美人もみたいな〜