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コンビニへのアクセスは悪い方が良い

今の家から徒歩圏内の最寄りのコンビニは2軒ある。
ゆっくりだらりと歩いても、どちらもそれぞれ10分くらいで着く距離だ。
だからかなり遠い場所にあるコンビニというわけでもない。
しかし我が家は標高が高い。コンビニのみならず、何をしに出かけるにも、山を下って出かけ、山を登って帰宅せねばならない。出かける際には帰りのことを充分に考慮して外出行動をしなければならない。自分の中に残っている体力も、持っている荷物の重さも。

そんなわけで、コンビニは近くにあるにはあるのだが、おいそれと出かけられる場所ではない。ちょっと日が暮れてから、ああ、コンビニ行こうかな、なんてことをふと思ったとしても、往復の登山を考えれば、やめておこうと思うのだ。

賃貸で家を探すとき、物件情報のところに、駅まで徒歩何分、最寄りのバス停まで徒歩何分、スーパーまで何メートル、コンビニ徒歩何分、などの情報がさもその物件のメリットですよと言わんばかりに書かれていることが多い。駅近物件は人気で家賃もそれなりに周辺よりは高くなるし、コンビニやスーパーが近くにないと不便な物件ということになるらしい。かつては私もそう信じていた。

しかし今となってみれば、コンビニに出かけづらい環境というのはメリットしか感じない。第一に、無駄遣いを減らすことができる。不必要におやつを買うこともなく、ちょっと割高なものを「まあいっか」と買ってしまうこともない。コンビニにアクセスしづらいというのは、お財布にも健康にも良いことづくめである。

そういえば友達が最近、5階建のマンションなのにエレベーターがないその5階に引っ越した。流石にスーパーの帰りに家まで5階分の階段を登るのは毎回大変だと思うらしいのだが、おかげで毎回5階への往復を思い浮かべ、無駄に買い物に出なくなったし、そもそも無駄に外出しなくなったので節約にも健康にも良いと、私が思っているコンビニ不便メリットと全く同じことを言っていた。

コンビニにもスーパーにも駅にも遠い物件ならば、賃料も抑えられる可能性が高い。日常的に使ってしまう無駄な出費も抑え、家賃という固定費も抑えられれば、大きな節約になることは間違いない。

本当に重い買い物などは今時ネットスーパーでもインターネット注文でも家まで運んでもらえる時代。わざわざお金を無駄遣いさせる罠を自分の行きやすい圏内に置いて、己の自制心の強さを毎日試す必要もないだろう。

しかしこれはもちろん、どのような地域に住むかにも大きく左右されるかもしれない。私の祖父母の家があるような辺境の地ならば、コンビニが一軒できただけで命がつながったような気持ちになるものだし、本当にありがたくコンビニを利用するわけなのだが、東京までの通勤圏内に住んでいるのなら事情が違ってくるだろう。世の中にはありとあらゆる手段でお金を使わせようという仕掛けが山のようにある。知らぬ間に罠にかからないように、物理的に距離を置くのが手っ取り早い対策だ。

しかし振り返ってみれば、過去いかにコンビニで消費していたことかと呆れ返る。便利でありがたいと思う反面、気をつけてしっかり考えて行動せねばならないとも思うのだ。

無駄遣い、今年はもっともっと減らしていきたい。どこまで減らせるか、ゲームのようで、楽しみだ。

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MariKusu
温かいサポートに感謝いたします。身近な人に「一般的な考えではない」と言われても自分の心を信じられるようになりたくて書き続けている気がします。文章がお互いの前進する勇気になれば嬉しいです。