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寝具の断捨離

寝具を増やしたくない

ものを減らすべく日々努力をしているのだが、寝具は縮小するのが難しい。
そもそも寝転ぶためのある一定の面積と厚みを要するものなため、必然的に物質的な圧迫感は免れない。

そこに夏用と冬用という使い分けも出てくると、尚更寝ることにまつわるものを減らすのが難しくなってくる。

しかしある年、夫の素晴らしい閃きにより、私の寝具がミニマルに進化した。

夏用の掛け布団である。

暑いと寝られない人

体調絶好調時の平熱35.0度の生まつき生粋の低体温生命体の私は、夏に弱い。
夏というか、もはや梅雨から弱い。桜が散る頃から体調は下り坂で、身も心もズタボロになっていく。そしてやっとの思いで9月に辿り着けば晩夏と初秋の秋晴れとかどうでもいいからダラダラ暑さを残していないで早く木枯らし吹いてくれと毎年切実に空に向かって念を送っているのである。

夏に体が弱る私は、夏の睡眠を特に大切にしている。
そして寝る時は寒くないと眠れない。
涼しい、ではなく、寒いである。
涼しいくらいでは横になってだらける程度だが、ちゃんと寝ようと思った時は、少なくとも顔面はキンキンに冷えていて欲しいのだ。
体が冷えていくと同時に心地良くなり、スッと眠りに落ちることができる。

冬でも冷え気味が好き

ちなみに冬は暖房は極力低くして、寝るときは少しだけ足(レッグじゃなくてフットの方)だけをほんのり温めるのみ。靴下は寝ている間に暑くなって必ず投げ飛ばしてしまうので履かない。そもそも室内で靴下は履かない。真冬に暖房のためのお金が本当になくてスリッパを履いていた2月の古民家住まいの時だけ靴下を使った記憶があるが、それ以外は帰宅したらまず靴下を洗濯機に入れて足を洗ってひんやりするのが定番である(夏の話ではない、冬の話。夏は外でも靴下なんて履かない)。

夏はどうしてくれようか

さて間が長くなったが、夏用の掛け布団。

これまではペラッペラの薄くて軽い夏用の羽毛布団に、リネンのカバーをかけて使っていた。
しかし暑いのである。けれど掛け布団無しだと心許ないし、流石の私も寒すぎるような気がしないでもない。なにしろ冷えていることの基準は顔面に1ミリの汗もかかないように冷やす状態なので(自分の汗でカブレる体質です)、まあ多少は足元くらいはなんか掛けておきたいかなと。

夫の画期的閃きが起こるまで、私は夜中に何度もかけ布団をかけて、暑いと寝ながら投げ飛ばし、途中で起きてまた掛けなおし、また無意識に投げ飛ばしを繰り返していた。

ここで件の、夫の提案である。

「中身(羽毛布団)をやめて、カバーだけで寝たらいいんじゃない?」

漫画のように私の目の前に電球が光った瞬間であった。
素晴らしい。
そしてやってみた。
素晴らしい。
夫よ、天才。

現在愛用中のかけ布団カバーはニトリ様で、肌にも心地よい。
冬になったらまたこのカバーの中身を入れて使う。
ものを増やしたく無いけれど夏用のひんやりブランケットみたいなものを買わなければならないのかとうんうん唸っていたのだが、見事買わずに済んだ。よかった。

夫は隣で冬でも使える厚手の羽毛布団にしっかりくるまって寝ている。
なんだろう。南国っぽい人だからね。寒いんだろうね。
ごめんね、がしかしホッキョクグマを嫁にしたんだ君は、ごめんね。

世のミニマリストたちの寝具

ミニマリストの寝具事情を様々なサイトで見ていると寝袋を愛用している方々を見かける。
寝袋はまだ挑戦したことがないのだが、見ているだけでも暑そうなので(自分の体温が中に篭りそう)寝袋を試すなら冬の屋外だろうなと思う。しかしアウトドアやらキャンプやらは全く好きじゃないので、いつかどうしようもなく必然に迫られた時が来なければ試さないかもしれないな。

断捨離ミニマルライフの鉄則。
なるべく通年使えるものを選ぶべし。
寝具も然り。

通年使えるものを、と言えば去年はダウンジャケットとニットのセーターも手放した。ダウンジャケットとニットのセーターは真冬にしか使えないからね。そして結果暑いの、冬でも。
ダウンジャケットなんて東北か北海道に行くとか、屋外に長時間立っていなキャならん時とか、真冬の始発で仕事に行くようなタイミングじゃないと使わないんだよ。
ニットのセーターも暑いんだよ。ニット着て外出して冬なのに歩いていて汗じゃぶじゃぶかくとか、本当にありえないと自分に自分でキレてしまうんだよ。ニットのセーターは北国でしか着ないものだよ、湘南では不要なんだよ。

おしゃれは我慢必須。でも暑いのは無理。

ニットは可愛い。ダウンジャケットも可愛い。
なんだったら羽毛布団でもこもこしてふわふわのパジャマ着て靴下履いて寝るのもイメージが可愛い(自分は寝てるから見えないけど)。

でもね、暑いの。

暑いと人生お先真っ暗なのよ。

私と同じように寝るときに暑くて困っているそこのあなた。
今すぐ掛け布団の中身を引っこ抜いて、今日からカバーだけで寝てみてくだされ。
なかなか、良いよ。たぶん。

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MariKusu
温かいサポートに感謝いたします。身近な人に「一般的な考えではない」と言われても自分の心を信じられるようになりたくて書き続けている気がします。文章がお互いの前進する勇気になれば嬉しいです。