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📚『1年で億り人になる』戸塚真由子(著)📚

以前から気になっていた本をやっと読むという猛暑日。しかしコロナの巧妙ですっかり家にじっとしているのが得意になって、全然どこかに出かけたい熱がない。いや以前からそうなのだが、必要がなければ出かけない方針はそのままに、しかしその必要となる頻度をグッと下げられる方法はないものかと知恵を回し始める始末であり、まだネットスーパーにだけは手を出さずに頑張っているのだけれど、それもそのうち時間の問題のようにも思う8月。

さてちまちまと読んできた戸塚真由子さんの本『1年で億り人になる』(サンマーク出版)は、なんとなく中古書店で手に入れたものの、ネットのレビューを見ると賛否両論。それでも売れていた本だという認識はあって、大型書店でよく見かけていたので、レビューはそれほど気にせずに読んでみた。私としては、なかなか良かったと思うのだけれど。

世の中の人たちは、お金や投資関連の本だと、特に「すぐに実践できる具体的なハウツー本」を期待しているのかもしれない。
この本にその要素が無いかと言われれば、そんなことはないのだが、全体を通しての印象としては巷に溢れるハウツー本とは毛色が少し違っている。彼女が実際に経験した話や、身の回りで起こったことのエピソードが中心となった構成なのだ。これをどう捉えるかによって、レビューが分かれているのだとは思うのだが、少し考え方を変えてみれば、これはこれで価値のある内容だと思う。
まず第一に、戸塚さんの経験談を直接多くの人が伺うことは難しい。経験こそが貴重な資料とも言えると考えれば、この本は宝の山である。ただし、彼女や彼女の周りで起こった具体的なエピソードから何を学び取るかは読者次第。おそらく読む人やタイミングによって全く違った部分が気になるのではないだろうか。

私がピンときた話題は

・時間の使い方や予定の組み方について
・本物のお金持ちの瞬発力と決断力について
・浪費と人間のマインドの傾向について

などなのだが、もちろんこれ以外にも具体的に確実に資産を増やすにはどうしたらいいのか、などの例も語られている。とはいえハウツー本ではないので、もっと踏み込んで手取り足取りお金を増やす方法をステップ1から書いて欲しいと思っている人にとっては、なんだかぼんやりした話だったなと感じられるのかもしれない。
しかしそんな具体的な方法は、読んだ内容から自分で選んでネット検索すれば出てくるわけだし、必要な部分だけ特化して別のハウツー本を読めばいいと思うので、私にとってはその辺りは問題ではなかった。

他の件でも思うことなのだが、お金の話も、人生の話も、人とのつながりは非常に重要だ。そしてそのつながりは結局どこから発生するのかといえば、その人全体から醸し出されるオーラであったり、目には見えないけれど確実に存在する何かだったりするのである。私もこれまで、何かを少し変えただけで、付き合う人がガラッと変わってしまった経験が何度かある。それは自分が相手を避けているわけではなく、不思議なことにどうしてもそうなってしまうのだ。例えば、Aさんととても仲良くしていて頻繁に会う機会があったのに、ある時ひょんなことから考え方や何かのやり方を変えてみたら、Aさんに全然会えなくなってしまう。時々は思い出して、そういえばAさんは最近どうしているかしら、とは思うのだが、どういうわけか予定が全く合わず、すれ違い、遭遇できなくなってしまう。これは本当に不思議で、いまだに説明ができないのだが、もはや「そういうことになっている」という宇宙の真理のような説明をするしかない。お金の話も、これに近い部分があるのだなとこの本を読みながら考えていた。お金は、数字でしかないが、それを操っているのは結局は人間だ。よって人間との関係はお金の動きとも無関係ではいられないのだろう。

お金持ちの知り合いはいないけれど、誰かのお金持ちのエピソードを知りたいと思ったら、この本はベストな1冊のように思う。ピンときた方はぜひ。

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