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寒冷地対応進化

小さい頃から匂いに敏感で、季節の移り変わりも匂いから察知する。
寒い気候が大好きな私は、もちろん冬の匂いが漂い始めると浮き足だって仕方がない。
冬の始まりの頃、秋の緩やかな冷えの中にツンと鼻の奥に刺さるような透明な香りがしてくるあたりから、冬真っ盛りの早朝の匂い、昼間のわずかな日差しが地面を温める時の匂い、星がシャリシャリと鳴り響く夜空の下で冷え切った夜中の匂い。どれもが私に幸せをもたらしてくれる。

しかしいつまでも冬の幸せは続かないもので、つい先日ちゃんと冷えてきたばかりだというのに、今日はもう冬が終わる匂いがしてきたことに気がついてしまった。
空を見上げれば、空の青い色も冬のそれではなくなりつつある。

1年で最も体調の良い冬。
その時期は本当に短い。
本来、2月が一番冷えたり、雪がたくさん降ったりする時期のように思うのだが、
今年はどうだろう。

一応は人間なので、今頃の気温になれば寒いなとは思うし、暖房を使ったり重ね着をしたり、靴下を履いたり、湯たんぽを布団に入れたり、コートもダウンジャケットは暑すぎて着られないけれどそれなりに冬っぽいコーデュロイのコートは着て歩く。

気温が低いところに適応した生命として生まれてきたのか、生まれつき平熱が低く赤ん坊の時からずっと低体温生命として生きてきている。体温は冬は34℃台で快適だし、夏でも35℃半ばくらいが体調が万全な時の体温だ。それ以上体温が上がってくるともう発熱状態で、寝込んでしまう。36℃は風邪の引き始めで、37℃は高熱で寝た方が良い状態であり、38℃になるともう高熱による目眩で起き上がれない。

よく体温を上げましょうという健康法が見られるが、それは生まれたときは平熱が36℃台あったのに、大人になったらなんらかの原因により平熱が下がってしまった人に適応される話なのでは無かろうかと、常に思う。確かに大人になってから平熱が下がったのなら、対応をした方がいいようにも思うのだが、最初から低いのが基本として生まれてきた生命だとしたら、なんらかの進化か退化が起こった結果であり、もう過去データが蓄積している人類とは違うスペックを持っているのではないだろうか。

体温が低いことと、冬が好きなことと、寒いと体調が素晴らしく良いことは、全て繋がっているのかもしれない。
外気温と体温の差が少ないと、生命は調子が良いのだろうか。
夏に体温が上がって基本的に体調が悪い日々が続くと言うのは、もしかしたら私は寒冷地仕様の爬虫類なのかもしれない。そんな爬虫類がいるとは思えないのだが。

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MariKusu
温かいサポートに感謝いたします。身近な人に「一般的な考えではない」と言われても自分の心を信じられるようになりたくて書き続けている気がします。文章がお互いの前進する勇気になれば嬉しいです。