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お盆
宗派に問わず京都人は、ご先祖様に対する思いが強いように感じます。
京都では佛時作法が幼い頃から生活の中に入り込んでいるんです。
特に、お盆の時には数え切れないほどの、さまざまな風習や言い伝え、しきたりがあります。
子供の頃からお盆には「虫を殺したらあかん」「泳ぎに行ったらあかん」
言われて育つことに何の反発も感じひんのも京都の子供です。
「おはぐろとんぼ」という昆虫をご存知ですか?
黒くて細いとんぼ。
このとんぼにご先祖様が姿を変えられて、あの世から帰って来られるので、
京都ではお精霊(おしょらい)とんぼと呼びます。
仏様にお水をお供えする時、器の中に蓮の葉や櫁の葉を浮かべますが、これとて意味があり、暑い夏の日に虫たちが水を飲みに来ておぼれないように…。
虫が苦手で、カブトムシとボッカブリの区別もあやふやで、
アリの行列も嫌、セミが反対に向いたはっても目をそらす、
そんな私でも怖々セミを戻したり、ボッカブリと鉢合わせしても「もしかしたら…?」と、この期間だけは見て見ぬふりをする。
もちろん、ご先祖様が虫に変身するとか、虫がおぼれるなど本気で信じているわけやおへん。
なんとなくお盆には、そんな気持ちになるのも、
幼き頃からの言い伝えが生活の中に染みついたはんのどすね。
その家その家の独特の風習、言い伝えが生まれ、
それが祖母から母へ、母から娘、娘から孫娘へと受け継がれていくんどす。
※ボッカブリ=ゴキブリ
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