音楽が聴こえてきた
穴のなかから

だれかいるに違いない
これを弾くだれかが
これを歌うだれかが
きっと

ちっとも見えないけれど
この奥に
この先に

穴の向こうが
「いま」かどうかもわからない

聴こえる
震えの一端に
わたしがいて

聴こえていますよ
となんとなく、
穴のほうへむかって
ささやいた

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