あんどうまりこ

本業は大手出版社の編集者|ライター|「生まれてきてくれてありがとう」を気持ちを言葉に残すママのための代筆サービス「つむぎや」の旗振り役 | 妊娠出産にまつわるママの想いに寄り添い、世界に一つだけの手紙やエッセイにします。

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マガジン

  • 2024夏 vol.1

    等身大のわたしを記します。どんな言葉が出るかわかりませんが、よろしければご購読ください。文章または音声、心に余裕があれば両方かもしれません。

  • 2024夏 vol.2

  • 出産の代筆屋 つむぎや

    妊娠・出産の思い出を、手紙やエッセイにしませんか? このマガジンでは、ご納品した記事をまとめています。 ▼ご依頼はTwitterのDMにてご連絡ください https://note.com/marikoando

  • 出産・育児日記

    息子の成長記録マガジンです。長男2020年7月生まれ、次男2022年7月生まれ。

  • 短歌

    ありのままを、ぱっと伝えられたら。

最近の記事

想いだけじゃ具現化できないから|240926

「それで、アイディアってなんですか?」 シャツに飛んでしまった担々麺の汁を気にしながら、吉田さんが言った。きのうチャットした件だ。 わたしは、ふと考えがおりてくるときがある。頭の隅っこに眠っていた小さなもやもやが浮かび上がってきて、あれもこれも解決できる!と繋がってゆく。 「いいこと思いついちゃった!」と、企画の種をノートに書き留めながら、わたしは吉田さんにチャットしたのだ。 「やってみたいアイディア閃いたので、明日お話ししながら冷静になりたいです」 そういうわけで

    • 濡れるのは嫌いだけど海は好き|240804

      ざらざらした砂に、小石が混ざっている。足の裏に触れる感覚は、同じ瀬戸内なのに岡山の海とは違っておもしろい。 海が好きとは言っても、何度も来られるわけでもないし季節も限られる。わたしも長男も、一年ぶりの海。山口県の海水浴場にきて、長男は砂浜を歩くのを嫌がってわたしに「おんぶして!」と言ってきた。背中におぶって海まで連れて行ってあげると、安心したのか「つめたいつめたい」と大はしゃぎで浮き輪に乗りながらくるくる回転し始めた。 30分ほどたてばすっかり海に慣れて、顔をつけようとし

      • ほんとうはずっと保育園いきたくなかったの|240802

        「ぼくたち、雲の上にいるね」 飛行機の窓から外を見て、4歳の長男が静かに呟いた。機体が少し揺れてもこわがらず、ぐずって泣いたりもしない。一人で座席に座り、気圧に耳がつまればグミを食べて直している。 もう、すっかり一人前の男の子だ。 親になるまで、子どもはもっと幼いと思っていた。何か伝えても理解力はそれほどないし、成長するにつれて忘れてしまうと。 でもそんなことはなかった。全然違った。子どもは、親の表情から言葉以外の気持ちを感じ取っているし、些細なできごとや会話も覚えている。

        • わたしが送った手紙|240731②

          ※このnoteは、「上司からの手紙」に関連して、わたしが2024年5月にどのような手紙を書いていたのかを記録しておくためのものです。お名前や伏せたい箇所に、一部編集を加えています。

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        • 2024夏 vol.2
          2本
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          13本
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        • 出産の代筆屋 つむぎや
          6本
        • 出産・育児日記
          19本
        • 短歌
          21本
        • Tくんとわたし
          8本

        記事

          上司からの手紙|240731

          終電間際のJR横浜線。会社用の黒いリュックを抱えながら、涙がぼろぼろ溢れて止まらなくなった。 ただでさえ酔っているというのに、こんなにからだから水分が出てしまったら、きっと頭が痛くなる。目の奥も熱くてぼわーっとする。わかっているのに止められなくて、むしろもうこのまま今の「感情」を味わっていたいなと思ったら、手に持っている吉田さんからの手紙が、滲んで見えなくなった。 さっきまで、吉田さんと佐藤さんと、職場近くの日本酒バーで飲んでいた。先週、佐藤さんの予定が合わなくて3人の飲

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          上司からの手紙|240731

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          どうしたらいいのかわからなくなった|240729

          もうどうしたらいいのかわからなくなった。 進もうとしても進めない。何を試みてもすべてが裏目に出る

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          どうしたらいいのかわからなくなった|240729

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          両親がきてくれた|240727

          涼しいリビングで、わたしはベビーマットの上に寝転がっている。長男が遊ぶ、LaQのピースをパチリパチリとはめる音。次男は寝室で昼寝中でとても静か。

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          両親がきてくれた|240727

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          「きょうだいは一緒」と思っていた|240726

          電車の時刻表を頭の中で表示しながら、時計をチラリと見る。今日はギリギリコース。洗濯機から乾いた子どもたちの洋服を取り出して、さっとたたんで保育園のリュックに入れてゆく。洋服はどれくらい山口へもっていこうか。そう考えていたときだった。

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          「きょうだいは一緒」と思っていた|240726

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          慣れによって覚悟が薄れるのはこわい|240725

          さらっと、話せるようになってきた。「来週から、子どもたちを連れて1か月くらい山口に行ってくるんです」って。いろんな人に説明した結果、すっかり話し慣れて、そこに隠れている事実が「夫との別居」であることを自分でも忘れてしまうくらいになっている。 ほんとうに、ただ遊びに行ってくるだけになったらどうしよう。何事もなかったかのように戻ってきてしまうのか。あんなに覚悟をしたのに? なんだか複雑な気持ちになりながら、PCをパタンと閉じてリュックにしまう。伝票をもつと、カウンター席から立

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          慣れによって覚悟が薄れるのはこわい|240725

          異性の特権と弊害|240724②

          わたしが危なっかしい状態であることはわたしがいちばんわかっている。

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          異性の特権と弊害|240724②

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          橋を渡るのが好き|240724

          橋を渡るのが好き。朝の東急東横線に揺られながら、気づいた。下り方面なら通勤時間でも人が少なくてゆったり座っていられる。通勤ラッシュに巻き込まれずに済むのは今の会社のよさだと思う。向かいの窓にキラキラと反射する多摩川の水面が眩しくて、思わず目を細める。

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          橋を渡るのが好き|240724

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          その問いを無視するのか|240719

          引き寄せの法則ってあると思う。きっと意識の問題。妊娠したら急に、街ですれ違う女性がつけているマタニティマークや赤ちゃんに気づくようになる現象と同じ。 家族ってなんだろう。幸せってなんだろう。わたしはどう生きていくのがいいんだろう。 一人になると瞬間に浮かんでくる問いを、わたしは今また洗面所に座り込んで考えている。ドライヤーで髪を乾かしながら。きっと答えを出さなくても生きていける問い。答えを探さないほうが生きやすい問い。 リビングで遊ぶ子どもたちの声が聞こえる。一緒にシャワ

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          その問いを無視するのか|240719

          4年分の夫の気持ち|240713

          『1122』をアマプラで観ている途中、スマホの上部に通知がきて、もうすぐ雨が降ると天気アプリが教えてくれた。少し冷めた玄米茶を飲んでから立ち上がり、ベランダに干している洗濯物を取り込む。 紺色のワンピース、白いブラウス、ストッキング、ワイヤー入りの下着。ここにあるのは、わたしが会社に出社する日に身に着けるものばかり。子どもたちの衣服を含むほとんどは、洗濯乾燥機で一晩で仕上がる。8月に入ったら(あるいはその後も)生活の変化に応じて、洗濯物の種類もやりかたも変わるんだろう。

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          4年分の夫の気持ち|240713

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          黒いなると|240711

          寝なくちゃ。そう思うのにだらだらしてしまう自分がいる。部屋の端っこで体育座りして、壁のコンセントから繋がっている充電中のスマホをいじっている。わかるよ。疲れてる。 こんなときこそ、ストレッチすればいいんだろう。机の横に置いているヨガマットをチラリと見た。すぐそこにあるのに、取りに行く気力がわかない。今週はずっとこんな感じだ。 月曜日は5時間、火曜日は徹夜、水曜日は2時間。とにかく毎日睡眠が足りていない。そのうえ今日から生理。腰は痛いし、あごにニキビができてしまった。ボロボ

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          黒いなると|240711

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          めちゃくちゃとしあわせ|240704

          木曜日は同期のえぬしと出社が重なる。えぬしは不思議な子だと思う。一緒に帰って、途中駅でごはんを食べながら話していると、心に抱えているものがしゅわしゅわ~と溶けていく感じがして心地いい。 今日も、そろそろお腹がすいたと思って顔を上げたら、3つ隣の島でえぬしが仕事しているのが見えた。「一緒に帰らない?」とチャットを送って、二人でガレット屋さんに寄った。

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          めちゃくちゃとしあわせ|240704

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          何が正解かわからない|240703

          「僕はフロアの真ん中で聞いたから」 「あー、ロイヤルホストのほうがいいですね」 先輩たちの会話に、ごめんなさいって謝りながら笑う。 ついさっきまで「丸亀製麺と、はなまるうどん、どっち派?」という、とてつもなく他愛のないテーマで話していたとは思えない。

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          何が正解かわからない|240703

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