ほんとうはずっと保育園いきたくなかったの|240802
「ぼくたち、雲の上にいるね」
飛行機の窓から外を見て、4歳の長男が静かに呟いた。機体が少し揺れてもこわがらず、ぐずって泣いたりもしない。一人で座席に座り、気圧に耳がつまればグミを食べて直している。
もう、すっかり一人前の男の子だ。
親になるまで、子どもはもっと幼いと思っていた。何か伝えても理解力はそれほどないし、成長するにつれて忘れてしまうと。
でもそんなことはなかった。全然違った。子どもは、親の表情から言葉以外の気持ちを感じ取っているし、些細なできごとや会話も覚えている。