協力隊 ステップアップに そろばん教室|2024.白露・玄鳥去
玄鳥去(つばめさる)
先週は「山陽新聞に取材をしていただいた」という話をしたのだけれども
今週は、倉敷市の移住定住推進室の公式Instagramに取材をしていただいた投稿が公開された。
前回も書いたんだけれども、地域おこし協力隊をしていると自分が有名人になったんじゃないかと錯覚してしまう。
それから、今回も「聴覚障がいのある移住者」ではなく「取材したかった相手に、たまたま聴覚障がいがあった」という捉えかたの取材をしてもらった気がする。
わたしは聴覚障がいがあることを隠していないし、手話を使うからこそ気づけた倉敷の人たちの良さを答えられて、それを自然に採用してもらって。
「障がいの有無に関係なく~」みたいな謳い文句をかかげる人ほど「真梨子さんは普通に喋れていますよ」とか「補聴器を付けていても普通に聴き取れていますよね」とか「普通であること」を押し付けてくるけれども。
本当に障がいの有無に関係なくわたしに興味をもってくれる人は、聴覚障がいがあったり手話を使うわたし自身をありのままに取り上げてくれるように思う。
30年近く聴覚障がい者をやっていると、相手がわたしのキコエをどう捉えているかなんて、会って5分もすればわかる。こちとら、ベテランの聴覚障がい者なんですよ。わはは。
だから、山陽新聞も倉敷市移住定住推進室も取材を受けた段階で「この人たちなら、信用して取材を受けよう」と思えたし、こうやってわたしのnoteでも胸張ってご紹介している。
倉敷とことこのライターとして「取材したい、発信したい情報」はどんなものだろうと日々考えながら活動をしているからこそ、取材相手に選んでもらえたこと、選んでくれた人がていねいに発信してくれること、本当にありがたい。
引き続き、わたしらしく #倉敷で暮らす を楽しむなかで、そんなわたしをおもしろがってくれる人との出会いに期待しながら、じっくりコトコト活動を続けていきたい。
岡山県地域おこし協力隊 ステップアップ研修を受講してきました
岡山県の地域おこし協力隊は、定期的に対面形式の研修会が開催される。
地域おこし協力隊は、税金を財源に活動させていただいているので、自治体から参加を推奨された研修会にはできる限り参加するようにしている。
わたしたちがただのフリーランスなんだったら「そんなのめんどくさいし」とか「ほかにも活動があって忙しいし」なんて言い訳してもいいと思うけれども、わたしたちは活動のための財源を自治体を通していただいているのでね。
研修で学び、それを地域に還元していくことも求められている活動だと思うのですよ。はい。わたし、前職で5年以上公務員をやってきたもので。初任者研修やら〇年目研修を受けないと一人前になれない社会で生きてきたので、お役所から参加を勧められたら「こりゃ参加せねば!」と反射的に行動する人間なんです。
・岡山県の地域おこし協力隊は、とりあえず「OEN」「総務省」の両方が運営している研修に参加すべし
でも「研修」とひとくくりに言っても、いろんな研修があるんですよ。初任者研修だったり、起業したい地域おこし協力隊向けのセミナーだったり、SNS運用の学習会だったり。
最初は、何が必要な研修で何が任意の研修なのかわからなかったのだけれども、岡山県の地域おこし協力隊仲間から
「OEN(岡山県地域おこし協力隊ネットワーク)が運営にいる研修会や総務省が運営に入っている研修は必修、「起業したい~」のような対象がある程度絞られているものは任意」
と教えてもらったので、それからは研修の案内が来るたびに「OEN]と「総務省」の単語を探しては、必修であろう研修に参加している。
・協力隊ステップアップ研修~行政予算の仕組みと任期後の出口~を受講してきました
そんなわけで、8月9日に岡山県立図書館で開催された岡山県地域おこし協力隊ステップアップ研修に参加したので、そのレポートを。(だいぶ遅くなってしまったけれども)
今回の研修会は、OENが運営に入っているのも決め手だったけれどももうひとつ、行政予算についての講義のタイトルに惹かれた。その名も「そろばん教室講義」。
元公務員だからこそ感じるのだけれども、お役所の講義のタイトルってどうも真面目すぎてそんなに惹かれない。特に前職は教育委員会が主催の研修だから、学校で授業をするように受講者の興味を引くような導入とか考えればいいものを。なんで大人相手には、ワクワクするようなお話をしくれないんだろう。
なんてひねくれたことを想いながら研修を受講していたので、この「そろばん教室」というタイトルはなんだかちょっとくだけた感じで「おもしろそう!」と思った。
まぁ、結論から言うと話はえらく真面目でクスリと笑うタイミングは一秒もなかったけれども(失礼)。でも、行政から委嘱されて活動するうえでとても興味深い話だった。
・地域おこし協力隊の任用形態について
地域おこし協力隊自体は国の、総務省の事業だけれども、実施主体は地方自治体。そのため、活動内容・活動範囲・活動費の当て方・副業の有無などの制度も地方自治体の裁量によって決まる。
ちなみに、任用形態も同じ岡山県内であっても
と、バラバラ。
ちなみにわたしは、委託側なので、国民健康保険や国民年金に入らないといけない代わりに副業などはわりと自由。
・行政予算は税金が財源なので、自治体で予算化しないと使えない!
行政予算というのは、議会で予算が承認されたもの以外は支出として認められない。予算はだいたい秋ごろに組み始めて、年度末に承認される。
だから、令和7年度の活動予算はもうそろそろ考え始めないといけない時期。
民間で働いていると事後承認のような形もあるらしく、この過程を煩わしく思う人もいるらしいけれども。わたしは前職の教員時代も同じように予算承認の過程を経験してきたので、そんなに違和感がない。
むしろ、今は委託される側になったので、ある程度の予算を市役所に提出してしまえば委嘱側の担当職員さんがヒアリングに行ってくれるのが、めっちゃ楽。ありがたや~。
ちなみにこのヒアリングは、とっても大事。というのも、自治体の予算は税金が財源となる。そのため、自治体の予算は市民に公開されていて、市民から「ここにはなぜこの金額が計上されているのか?」と尋ねられたときに説明する義務を負っているから。
説明するための根拠として、ヒアリングをしてくれていて、市民から要望があったときにはその使い道を担当者が説明してくれるってわけ。大事。
・予算提案は、まず担当者に相談する
だから、わたしたちは何か活動をしたいときにはまず担当者に相談して、それにかかる予算についても「事前に」相談する必要がある。
勝手にお金を使って、あとから「使ったぶん、ちょうだい!」とはならない。
自分が雇用してもらっている相手や委託先からお給料をもらう立場なので、相手のルールは知っておかないとね。というお話。
・対面研修は、「研修に参加して学びたい」という気持ちのあるOBOGや現役隊員と繋がれる、大切な時間のひとつ
上述のなかで「OEN」や「総務省」のワードがある研修は、必修のようなものという表現をしたけれども、あくまで必修の「ようなもの」。つまり、参加は義務ではない。
だから、研修に参加しない選択をしても許される。
でもおもしろいのは、こういう研修に参加する人はだいたい固定化していて、その人たちとはかなりの確率で気が合うということ。
岡山県の各地域から、時間とお金をかけて(とはいえども活動時間&活動費)研修に参加する。しかも、任意。
となると
・研修への参加を促された人
・研修の機会に意味を感じている人
のいずれかしか来ない。前者は最初のほうは来るけれども、2回目以降は自治体から促されなければ来ない。でも、後者はちゃんと毎回来る。
「何に意味を感じるか」は人それぞれだけれども、この研修に意味を感じるという共通項をもっている人は高確率で気が合うわけで。
そんなメンバーが、研修後に倉敷へ遊びに来てくれた。うれしい。すっごく楽しかったので、その日の思い出もここにペタリ。
次回の研修でも、みんなに会えるのが楽しみだな。
そんなわけで、今回もたくさんの学びと出会いがあった研修。研修時間は毎度のことながら、手話通訳も派遣してもらいました。おかげで、キコエル隊員と同じように情報を得て学び、交流できました。いつもいつもありがとうございます。
これからもどうぞ、よろしくお願いします。