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聴覚障がいのあるわたしの頭の中 ~倉敷とことこでライターとして20本目の記事が公開された日によせて|2024.清明・鴻雁北
桜の花が下を向いて咲くのはね
きっと
人間に愛でてもらいたいからなんだよ。
と言いながらにかっと笑う人の横は、桜の花が咲き乱れていた。
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■ 鴻雁北(こうがんかえる)
例年3月下旬から4月上旬にかけて見頃を迎えるという倉敷市の桜も、今年はちょっぴりのんびりさん。おかげで、先週の津山から戻ってきた後もまだ、お花見をし続けている。
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「倉敷で一番好きな景色は?」
と尋ねられたらまず真っ先に思い浮かぶ瀬戸内海を見渡す児島地区も、桜が咲いていた。
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・瀬戸内海というよりも、その海をたゆたう凪(なぎ)が好きでたまらないんだと思う。
あの穏やかにそこにあり続ける静けさが、心地よい。見ているだけで、ほっと心が落ち着く。
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海の色がだんだんと淡くなっていく。
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そんな移り変わりのタイミングに、瀬戸内の青にそっと彩りを与える桜の花があんまりにもきれいで。ただただぼうっと、海を見ていたのか、桜を見ていたのか。
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瀬戸内の凪と桜が一枚の絵になったこの景色は、やっぱりわたしの心をそっと抱きしめてくれるような気がする。
また来年も、再来年も、この時期に瀬戸内の凪と桜を見にこよう。そう思える景色が、日ごとに増えていく、くらしきで暮らす日々。
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【清明】花が咲き、蝶が舞い、空は青く澄み渡り、爽やかな風が吹く頃。
初侯:玄鳥至(つばめきたる) 4月4日~4月8日
次侯:鴻雁北(こうがんかえる)4月9日~4月13日
末侯:虹始見(にじはじめてあらわる)4月14日~4月18日
・2024年4月14日(日)は、第2回ハーモニーマルシェに行こう!
そうそう。冒頭の素敵な桜話を教えてくださったお姉さんが主催するマルシェが、この週末4月14日(日)に開催されます。その名も「ハーモニーマルシェ」。わたしも音楽ステージの最後に監修した手話歌を披露する時間があるので遊びに行く予定です。
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倉敷と早島にある子ども食堂や福祉活動に積極的な団体がハーモニーを奏でるマルシェ。どんな一日でも、ここに来ればきっと元気になれる魔法のようなマルシェになるはずなので、ぜひみなさんお越しください。
■ 倉敷とことこでのライター活動も4か月が過ぎて
倉敷市の地域おこし協力隊として「情報発信」をミッションに活動し始めて4カ月が経過した。
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わたしの主な活動媒体は、倉敷の「今」を伝えるウェブメディア倉敷とことこ。
ここで、倉敷市内のイベントの告知やレポート記事を20本ほど書いてきた(2024年4月12日現在)。そう、今日は20本目の記事が公開された記念日なのです。
・倉敷とことこの執筆記事を「ウチの子の記事」と言ってもらえる嬉しさを噛み締める日々
わたし自身、「障がいのある当事者やその支援者の生活のリアル」への関心が高いので、わりと早い段階から取材に行く分野も固定化してきていて。そのおかげで、出先ではじめましての人に「倉敷市地域おこし協力隊の高石です」と自己紹介をすると「あぁ、□□の記事を書いていた子よね!」と認識してもらえる機会が多くある。
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今まで、SNSで不特定多数に対して発信をしてきたほうだけれども、読者のかたと顔を合わせる機会はめったになかったので、倉敷に来てから読者のかたから直接記事を読んだ感想を教えてもらえることはとっても嬉しい。
しかも、どの取材先も何度かお伺いしたことのある団体であることが多いので「ウチのまりちゃんが書いた記事だよ」と周囲の人たちにも口コミで記事が出回っていると聞いて、ますます嬉しい。
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特にこのnoteやInstagramのストーリーズ投稿は、倉敷とことこの記事を読んでくださった方にもっと高石真梨子を身近に「ウチの子」と思ってもらいたいと願いながら投稿をしているので、倉敷とことこの記事を「ウチの子が書いたの!」と言ってもらえていると知ったときは、もうとろけちゃいそうなくらいに嬉しかった。
わたしはライターなのに、さっきから「嬉しい」以外に感情を表す言葉を知らないんじゃないかと思うほど「嬉しい」を連発している。それくらい嬉しく思っているので、大目に見守っていただければありがたいです。
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もちろんこの倉敷には、障がいの有無を問わずに参加者を募集しているイベントもたくさんある。というか、当たり前だけれどもそっちのほうが圧倒的に多い。
そして、わたしも当然そのようなイベントにも参加する。
・ 聴覚障がいのあるわたしが、くらしき日本遺産検定を受検してみたり大原美術館のイブニングツアーに参加してみたり
たとえば、くらしき日本遺産検定を受検したり(不合格だった)
大原美術館のイブニングツアーに参加したり(めっちゃおもしろかった)
どちらも、参加対象者に制限はなくどんな人だって参加できるイベント。
ということは、裏を返せば聴覚障がいのあるわたしだって聴者同様に参加できるイベントなはずで。
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でも、でも。障がいのあるわたしたちからすると
「でも、試験官の言っていること分からなかったらどうしよう」
とか
「でも、音声での解説とか聴き取れないしな」
とか、そんなことばかり考えてしまって。
「おもしろそうだな!」と思ったイベントがあっても、そこに
【情報保障ありますよ】
とか
【合理的配慮、対応しますよ】
みたいなことが明記されていないと、なんとなくハードルが高いなと感じてしまう。
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これはわたしだって同じで。くらしき日本遺産検定も個人受検だったらキコエル振りをして適当に受検しただろうし、大原美術館イブニングツアーなんてそもそも「わたしには聴き取れないし」とハナから参加を諦めていたと思う。
・せっかく「聴覚障がいのあるライター」なんだから、わたしに見える世界とめんどくさがらずに向き合うこともミッションなのかな……なんて思ったり
それでも。
倉敷とことこのライターとして、倉敷市の地域おこし協力隊として「情報発信」をミッションに活動している間は少なくとも「じゃあ、聴覚障がいのあるわたしはどうやって参加したの?」を発信することが、使命のようなものなんだろうなと思っていて。
くらしき日本遺産は合理的配慮として
・座席の配慮
・試験官の指示の筆談対応
を依頼
大原美術館イブニングツアーは
・手話通訳の派遣
を依頼
して、そのどちらも記事にする際に「聴覚障がいのある高石真梨子はこうやって参加しました」をあえて情報として発信した。
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・2024年4月から、民間企業も合理的配慮が義務化されたんですってよ
2024年4月に障害者差別解消法が改正して、民間企業も合理的配慮の提供が義務化されるなど、ちょうど世相的にも障がい者がどうやって社会参加していくのかに注目が集まっているタイミング。
と同時に、当事者も事業者側も何をもって「合理的」なのか分からないで迷走している感も否めない法改正。
いつかのnoteでも、こんなことを書いたけれども
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![](https://assets.st-note.com/img/1712896072108-bKuRUWqbgV.png?width=1200)
キコエナイ側からしたら、キコエル人たちにどんな景色が見えているのか分からないから「合理的」のアンバイが分からないし、事業者側からしたら障がい者が何に困っているのかイマイチわかっていなくて。そして、その周りの一部の人には、「合理的配慮」が「特別扱い」に見えてしまうこともあるらしい。ムズカシイよね。
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・少しでも「見たことある」のきっかけにわたしの記事が役立ったらどんなに素敵だろう、なんて大きな野望を
みんながみんな、互いの世界が分からないから混乱していることってたくさんあるなぁと思っていて。その典型的な例が、イベント。職場とか公的な手続きだったら合理的配慮を頼まないといけないけれども、プライベートの余暇に合理的配慮って求めにくい。(少なくともわたしは、とんでもなく腰が重くなる)
だからこの、仕事として一般市民に提供されるイベントに聴覚障がい者が参加するにあたってどんなことが必要なのか、実際にどんな合理的配慮が受けられたのか、の事例を蓄積していこうと思っていて。
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ありがたいことに、倉敷とことこは障がい者向けのサイトではなく、広く市民を読者とするメディアなので。
いろんな立場の人たちに、わたしの記事を読んで「ウチだったら、こんなことができるかもな」と思ってもらえるきっかけになったらいいなと思うし、「ワタシもこんな合理的配慮があればこのイベントに参加できるかも」と一歩踏み出す人の背中を押せたらどんない嬉しいだろうと。
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そんなことを考えたり考えなかったりしながら、日々文章と共に生きています。