愛が世界を救います(ただし屁が出ます)
はい。
これも観ました。配信です。
配信、ほんと便利。
もう結構慣れましたよ。
前回のマジロックオペラは「サンバイザー兄弟」かな。
今回は久しぶりに舞台が渋谷に戻っていましたが、東京在住でないわたしには、舞台が池袋でも渋谷でも、あんまりその違いは分かりません笑
さて、内容。
今回はすごく分かりやすかったです!
ちょうど、大傑作だった「俺の家の話」の円盤が届き、また改めて素晴らしい内容に涙していたので、なんとなく通じるものがあった気もするし、ただわたしがこじつけたいのかもしれません。
結局言いたかったことは、このタイトルにすべて込められていたのだなと思います。
「愛が世界を救う」んです。
ただし、屁が出ますけどね。
ということです。
劇中歌の一節
「人殺しだって死んだら悲しい ホームレスだって死んだら悲しい 引きこもりだって晴れたら嬉しい」
(これ、ホント時事ネタか?と思いますが、違いますよ。だって脚本はもっと前に書き上がってますから。)
すごいワードをぶっ込んでくるのはいつものことだけど、ここにきてこのストレートなメッセージにガツンときました。
今ならね、こんな風に叫ぶべきです。絶対に。
柔らかくて優しそうに見えて何にも中味のない言葉とか、自分の思いだけで本質を掘り下げずに投げつける言葉とか、メッセージ込めてそうでまったく根っこのない言葉とか、
今こんな言葉ばっかりが溢れてる。
加えて、終わりが見えない世の中の不穏な状況。
冷静なときなら気づけるかもしれない人でも、今はこんな言葉に惑わされすぎている。
そんなときにね、
「人殺しだって死んだら悲しい ホームレスだって死んだら悲しい 引きこもりだって晴れたら嬉しい」
なんて歌うんです。
あの、のんちゃんが!
ギターをかき鳴らしながら!
こんな説得力ないでしょうよ!
だって誰だって生きていたらそれでいいんです。
本当にそれだけのこと。すごくシンプル。
まさに、全肯定!
藤井隆くん演じる「大江三千里」(この役名😂)が、自分がノーマルすぎて苦しむところ。
マイノリティがマジョリティになって、マジョリティだった彼が劣等感を感じる。
2055年はそんな世界です。
LGBTにまだまだ他のがいっぱいついて、(ごめん、忘れたよ😅)「普通」の定義が裏返っていく。
そうして現れた新たな絶望。
だけどそれは見た目が変わっただけで、かつての差別構造となんら変わりはない。
そんなロジックを呈しておいて、くんくは最後に全員を掬い上げてくれるんです。
それも屁の勢いで。
こんな爽快なことはないです。
しかもね、何がすごいって、一度「全否定」を通ってから「全肯定」に表返すことです。
ここがね、ホント、わたしは世代的にドンピシャに爽快でした✨✨
くんくの舞台は初めての、のんちゃんと虹郎くんがとにかく爽やかで、軽やかで、嫌味なく物語を引っ張っていく。
このややこしい世界の構図を、至極単純なものに編み直して、さらにそれを軽やかに演じる若者に託している。
おっちゃんとおばちゃんたちは、周りでわちゃわちゃするのが担当☺︎
伊勢さんは分かりきってても今から何するか教えてくれるし、良々はセリフすらサンプリングだし、石鹸はくるくる回ってるだけだし。
それでもういいのよね。
くんくなんて、腰が曲がりすぎて顔すら見えないww
今回ちょっと頑張ったおじさんは少路かな☺︎
でも少路は年寄りチームよりちょっとだけ若いからいいよね。
くんくの舞台は「自分がやりたいことを自分が好きな役者さんにやらせて、詰め込むだけ詰め込んでる」って言ってごめんw
今回は、こんなに爽やかに終わるの⁈ってくらい爽やかでした。
でっかい屁の音を聞いて、こんな爽快な気持ちになるなんて思わなかったよ。
硬い話は似合わないかもだけど、「エンパシー」ってこういうことを言うんだなって。
このところ自分が考えてることを、くんくが描いてくれていたことに驚きと尊敬と、わたしはこれでいいし、この先もこれでいく、という思いをくれてありがとう!
全人類に観てほしいよ、屁をこきながらね⭐︎
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