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暴れ天皇を慰める禅寺「天龍寺」

天龍寺は、前出の南禅寺と同じ禅寺。そして、品格の高い京都五山の一つです。(南禅寺はさらにその上の「五山之上」)室町時代1339年、足利尊氏が後醍醐天皇の霊を慰めるために建立されました。

暴れ天皇「後醍醐天皇」

鎌倉時代の朝廷では皇族が2派に分かれて対立していました。そこで、鎌倉幕府が、両者の子孫がほぼ10年を目処に交互に皇位を継承するよう仲介に入ります。それに反発したのが後醍醐天皇です。討幕の計画がバレて島流しにあいながらも、脱出。足利尊氏を従えて、ついに鎌倉幕府を倒します(1333年)。ところが後醍醐天皇の政治はなかなかうまくいかず、国内は不安定に。足利尊氏は裏切って後醍醐天皇を京都から追い出し、室町幕府を開き、新しい天皇を立てます(北朝)。諦めない後醍醐天皇は奈良の吉野で君臨し続けたため(南朝)、1392年に南朝が折れるまで、南北朝の時代が続くこととなります。

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とうわけで、後醍醐天皇はかなりのお騒がせ天皇でしたね。後醍醐天皇は足利尊氏が幕府を開いた翌年の1339年に亡くなっています。裏切られて足利尊氏の討とうとしていた後醍醐天皇は、いわば「かたき」ですが、武家からも尊崇を受けていた禅僧「夢窓疎石」に勧められて、天皇を弔う寺院の「天龍寺」の建立に至ったそうです。(尊氏は、後醍醐天皇の怨霊に悩まされたそう。そして足利尊氏は日本史上でも屈指の“か弱い”メンタルを持つ人物だった!?)

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天龍寺の顔「達磨大使」は睨んでいるのではない!

拝観する時に入口となっているところで、大きな達磨大師の絵があります。必ず顔真似して写真を撮りたくなりますよね??

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「だるまさんがころんだ」や「にらめっこ」「だるま落とし」などとして身近ですが、もともとインド人で、中国に渡り、禅宗を伝えた方です。

達磨は怖い顔で描かれていますが、あれは、他人をにらみつけているのではありません。達磨は長い間インドで布教・修行をして120歳になってから中国に到達し、さらに、壁に向かって9年間修行を積みました(=「面壁九年」)。あの顔は、手足が腐るほどの修行に、くじけそうになる自分の心を見つめて苦しみに耐えている顔なのです!これが経典やご本尊を定めず、経験し体得する悟りを目指して「坐禅」を行い、非常にお釈迦さんの教えに近いとされる禅宗なのですね。(こんなに修行した達磨大師も悟りきれなかったそうですが。。。)

達磨大師は528年に150歳で亡くなってしますが、613年に聖徳太子に会ったとか、聖徳太子が産まれるのを30年待った場所が宮城県の「松島(待つ島)」であるなど伝説が残されています。不屈の精神を持ち、善い行いをすることによって功徳を得ようとする功利的な発想をバッサリ否定した達磨は、古くから日本人の尊敬を集め、親しまれてきたんですね。

暴れ天皇・後醍醐天皇も、坐禅で落ち着いたかな・・・

天龍寺のためだけに再開された貿易!

天龍寺は建物も素敵ですが、何と言っても庭園が素晴らしい!中央の曹源池を巡る池泉回遊式庭園では嵐山が借景となり、桜、紅葉、雪景色など、いつ行ってもともかく美しいので、違う季節にも来てみたいです。

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初代住職の夢窓国師は、悟りの境地に至る(心が澄み切る)を目指す禅の本質を表現するために、自然の眺望・景観を活かしつつ、石組などを活用したのです。残念ながら今回拝観できなかった西芳寺(aka苔寺)も夢窓国師が手がけています。

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天龍寺が建てられたのは、亀山殿という皇室の離宮だった場所です。離宮→天龍寺へのいわばリフォーム費用を捻出するために、尊氏は元冦以来途絶えていた元との貿易を再開します。(南北朝の争いの後でお金なかったのは想像つきますね)寺社を作ることだけを目的に儲けるために中国派遣された貿易船は「天龍寺船」と呼ばれます。そこまでして天龍寺を建てるなんて、亡くなってもなお、後醍醐天皇は暴れて足利尊氏を悩ませていたんですかねー。

そこまでしてなんとか建てたのに、創建以来、8度の大火に見舞われたため、現在の建物は明治時代に再建されたものが大半で、夢窓疎石が手がけた西側の庭園の一部だけが、創建当時に近いものだそう・・・。やっぱり後醍醐天皇は中々鎮まらなかったのかなーとか思っちゃいますね。

ともかく美しい天龍寺!写真をいっぱい撮りました!世界遺産にも指定されています!

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↑このメインの建物(「方丈」)から後醍醐天皇の尊像を祀る祠堂「多宝殿」へ続く廊下、言われてみると元離宮って感じしますね。↓廊下の途中では素晴らしい自然の眺望と、その奥に茶室が見えます。

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*参考:天龍寺WEBサイトYoritomo-Japan「鎌倉と後醍醐天皇」仏教ウェブ講座BUSHOO!JAPAN

*この記事は参考資料を見ながら自分の解釈で書いていますので、内容の正確性を保証することはできませんことご了承ください。

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mariina
母がドイツ人の父が日本人のいわゆる「ハーフ」ですが、ハーフって言われるの嫌い。ピザじゃあるまいしw。アウトプット力・文書力向上を目指してnoteを活用します。そして記事の内容が誰かの役に立ったら嬉しいです。