目覚めの一つのかたち

前回、感情が開放されることで、「ああ、私はあんなことを思っていたんだ。」と過去形になっていることに気がつくでしょうと書きました。

本当の目覚めは、何も起きていなかったと気づくことですが、これも目覚めの一つのかたちです。

自分が考えていたことが本当だと思っていたけれど、そうじゃなかったと気づくこと。

これは、寝ているときに見た夢から覚めたときに、あ、夢だった、ほんとうじゃなかった、というのと同じことです。

たとえば、怖い夢をみて、夢の中で夢だって気がついてないときは、それを現実だと思ってみていますよね。うなされるなど。そして目が覚めて、夢だったことに気がついてホッとする。

朝起きて、昨晩みた夢をだれかに話すとき、その出来事が起きたとはいいませんよね。こんな夢をみたんだと言うと思います。

昨晩みた夢は実際には起きていない、つまり幻想だとわかっています。

これと全く同じで、目覚めというのは自分が信じて疑わなかったことが実はそうじゃなかったことに気づくこと。

自分にとって起きてたと思ってたことが、実は起きていなかったんだとわかること。

自分が信じていたことというのは、自分の中であたりまえすぎて、疑ってこなかったことです。

でもそのあたりまえをあたりまえとして生きられなくなったときに、それが私たちに立ち現れてくる。

このような形で私たちはリアリティを知るのです。