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【第16回】5つのハッシュタグで自己紹介(100字)

さまざまなジャンルの文章に、自分なりの赤ペンを入れていく企画です。マガジンの詳細については【はじめに】をお読みください。

気が付けば、前回の投稿から1カ月以上も空いてしまいました(汗)。
今回のお題は、コチラです。

あなた自身にハッシュタグを5つつけてください。(全部で100文字)

これは、某民放テレビ局のエントリーシートにあった問題です。
ハッシュタグとは、SNSで検索性を高めるために投稿につけるものですが、気の利いたことをいう意味合いで付けていることも多いですよね。
自分にハッシュタグをつける、とは……?

4人分を一気に紹介します!

Aさん
#人寄せパンダ
#フッ軽だからどこでも行きます
#ラジオのようにひたすらしゃべる
#オタク気質入ってます
#パワースポットはテレビ局
Bさん
#酒と音楽と魔法の車
#お金の貯め方がわかりません
#趣味は仕事とダイエット
#日本語は芸術です
#テキトーって褒め言葉ですか
Cさん
#ミニモニ 。に入れます
#文章の神様を信仰中
#わたしの血はワインでできている (嘘)
#かわゆい女子採集してます
#ピンチはチャンス
Dさん
#小学生男子
#中身中年系女子の皮を被った乙女
#うみ派
#じゃがりこ
#空想家


どうでしょうか? 4人のうちどれが一番、人となりが伝わったでしょうか?

何となく面白そう!と思って選んだこのお題。あれ?文章じゃないじゃん!(いまさら)
これはそう、文章というよりは、コピーライティング。
持久力が必要な長い文章とは違って、瞬間風速的な言葉の力を要求される「キャチコピー」の要素が強いです。
ということで、わたしがうんちくを語れる分野ではないので(おい)、今回は感想程度にとどめます。軽く読んでもらえたらと思います。

エントリーシートの課題なので、一応この問題により出題者が求めているものを考えてみます。
・自分のことをどのように判断・分析しているのかを見る。
・分析した性格をどのように言語化し表現するのかを見る。

この2点が大きいのではないかと思います。
それに加えて、言葉選びのセンスやリズムがあればなおよし、といった感じでしょうか。

ふわっと表現するのか、やたら詳しくディテールを書くのか、欠点を自虐的に表現するのか長所を書くのか、上記4人のハッシュタグを見ても性格が表れるなと思います。

Aさんの印象……
元気いっぱい、友達が多くて社交的。外に出ることが好きなのかな。5つのハッシュタグのなかで「オタク気質入ってます」が少し異質で面白いですね。人って単純じゃないから、こういう二面性が見えると興味がわきます。

Bさんの印象……
言葉のチョイスやセンスの高さは一番だと思いました。しかし、全体を通して、適当な感じが溢れて出ています。お金の貯め方がわかりません、って貯める気ないでしょ(笑)。ダイエットと貯金もうまくいってなさそうです。極めつけに、テキトーって褒め言葉ですか?で締めるあたり、あざとさが見えます。あ、褒めてます。

Dさんの印象……
ふわっとして柔らかい印象。ちょっと不思議さんなのかな?「うみ派」って海をひらがなにしたところにさらに柔らかさが出てますね。男子と乙女どっち?と思いましたが、おそらくかわいい女性。男性にモテそう!
「じゃがりこ」が惜しいような、敢えてナゾが深まるような…。「じゃがりこが死ぬほど好き」なのか「じゃがりこに実は過去のオトコのトラウマがあります」なのか…何かひとつ、情報を加えても良かったのかも。

そして、はい。Cがわたしです。
言葉を選ぶ前に、自分を表現するためのテーマを5つ決めました。それは、「身体的特徴」「職業」「好きなもの」「趣味」「座右の銘」。
ただ、実際にそれぞれのテーマをハッシュタグで表してみると、関連がなくどんな人かつかみづらいですね(苦笑)。ワインが好きでなんか根性ありそうな小さい人…という感じで伝わるのかしら。

全然ためになることを言えないので、わたしが持っている本から、コピーの極意を引用して紹介します。

「文章は書くものではない、読んでもらうものである」
「人と同じことを思い、人と違うことを考えよ」
「書き上手になろうと思わず、聞き上手になりなさい。調べ上手になりなさい」

この本、オススメです。コピーに興味がある人はぜひ読んでみてください。

最後に、わたしの好きなコピーを3つ紹介します。

死ぬのが恐いから飼わないなんて、言わないで欲しい。

17 回―1

これは、わたしの説明など不要ですね。超有名な、児島令子さんのコピーです。コピーの賞も受賞しています。

人生が、ラブストーリーでありますように。

第17回―2

明治チョコレートのコピー。バレンタインになると思い出します。写真だとボディの文章がしっかり読めないかもしれませんが、ぜひ検索して全文を読んでみてください。

「ずっと」なんてないことを、こどもたちは夏から教わる。

第17回―3

きゅん。
IMS(イムズ)のコピーです。好き。

この他にも、尾形真理子さんのLUMINEのコピーは全部好きだし、「こんちく症。どうしま症。花粉症」とかも面白いし!キャッチコピーを書ける人は本当に尊敬します。

今回はいつもの文章教室とは少し違う脳みそを使ってみました。短い言葉も長い文章も、終わりなき旅。楽しいです!
書いてくださった皆さん、最後まで読んでくださった皆さん、ありがとうございました。

次回(12月31日たぶん)は、【最終回】創作:「冬」と「レモン」を使って物語を作る(700字)の予定です。

ノンフィクションを書きたいです!取材費に使わせていただき、必ず書籍化します。