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「豆瓣」で中国語を学ぶ! 中国最大の書評・映画レビュー・コミュニティサイトの活用法

1 はじめに


こんにちは。
Mandarin Note( https://mandarinnote.com/ )というブログを運営しているMarieです。
ブログでは、中国語や英語の学習法を紹介しています。

スマホやKindleなどのガジェットや、便利なWEBサービスを活用しての勉強方法、また、読書をメインに据えた学習法に関する記事を多く書いています。

私の中国語学習に欠かせないサービスのひとつに、今回紹介する「豆瓣https://www.douban.com/ )」というコミュニティサイトがあります。

2008年に登録して以来、細く長く利用しています。

日本にも「ブクログ」「読書メーター」といった書評や読書記録を管理するサイトがありますが、「豆瓣」も同様のサービスです。

本だけでなく、映画や音楽など、幅広いコンテンツのレビューを管理することができ、SNSの要素も兼ね備えた中国のWEBサービスです。

この記事では、特に「豆瓣读书」を中心とした読書にまつわる豆瓣のサービスを、中国語学習に活用していく方法を、解説画像50枚以上とともにご紹介します。

語学を継続し、レベルアップさせるのに、いちばんよい方法は、「好きなものを教材にする」ことです。

小説、漫画、映画、音楽。


「豆瓣」には、自分の好きなものを熱く語る中国の人たちのことばがあふれています。
彼らのことばを使って「多読・精読」し、読みたい中国語の本、見たい・聞きたい中国語の映画や音楽を発見していく。

外国語学習を楽しく続けられるよいループが「豆瓣」でかたちづくられていきます。

メインの解説は「豆瓣读书」にしぼっていますが、映画や音楽も使い方は同じです。

「豆瓣」の存在は知っていたけれど、どのように使えばわからないという方のために、どう使うのか、情報をどのように役立てるのかを丁寧に解説してみたいと思います。

この記事の読者の対象は、中級程度の中国語学習者です。
中国語の基本がわかり、知らない単語を辞書で調べることができる方にとって役立つ情報であることをめざしています。


中国語がまったくわからないけれど豆瓣を使ってみたいといった方が参考にされるには不便な点がありますことをご了承ください。

また、このnoteを読んで実際に豆瓣を使ってみて、知りたいこと、疑問に思ったことがあれば、ぜひ質問をお送りください。noteに追記する形でお答えしていけたらと考えています。

2豆瓣とは


まずは「豆瓣」というサービスについて。

豆瓣は2005年に開設された、ユーザー参加型コミュニティサイトです。

書籍・音楽・映画のレビュー投稿がメインですが、それだけではなく、ユーザーの登録したデータに基づくレコメンド機能、ユーザー同士の交流が可能になるSNS機能など、さまざまなサービスを提供しています。

豆瓣读书:書籍のレビューサイト
豆瓣阅读:電子書籍配布サイト。ユーザーの作品投稿も可。
豆瓣电影:映画のレビューサイト
豆瓣音乐:音楽のレビューサイト
豆瓣同城:コンサートや美術展などのイベント情報・オフライン活動情報サイト
豆瓣小组:テーマごとに分かれたユーザーフォーラム
豆瓣市集:物販サイト

サイト名の由来は、北京の朝陽門外にある「豆瓣胡同」という小さな通りの名前からつけられました。開設者の阿北がこの通りの近くにあるスターバックスに毎日通い、そこでこのサイトのプログラムを完成させた、というのが名前の由来だそうです。

2012年には豆瓣阅读という電子書籍の配信サイトを開設。豆瓣で公開されたオリジナル作品のほかに、一般的な商業作品の電子書籍も購入することができます。

現在は物販サイトや、有料のオーディオプログラムの配信など、さまざまなサービスを展開する、中国最大級のクリエイティブカルチャー情報サイトとなっています。

※この記事は2017年12月現在の情報をもとにしております。WEBサイトの構成・サービスが変更されている場合がありますので、ご了承ください。

2-1 アカウントの作成方法

まずはアカウントを作成します。
私が初めて登録したときは、メールアドレスだけでアカウントを作ることができたのですが、今では携帯番号の入力が必須項目となっています。

2017年の初めごろから、豆瓣だけでなく中国の多くのWEBサービスで、携帯電話番号の入力が必要になりました。

日本の国名も選択できるようになっています。

携帯番号に認証コードが届くので、それを入力したら、アカウント登録完了です。

携帯番号を登録してアカウントを作成するのが心配、という方は、アカウントなしでも活用できます

アカウントを作ることの最大のメリットは、「自分の好きな作品・読んだ作品を登録することで、豆瓣から類似の作品をおすすめしてもらえる」というところです。

電子書籍を配信する豆瓣阅读でも、無料書籍であればアカウントがなくても読むことができます。

アカウントがなくても大丈夫!
アカウントを作成しない方は、次の「2-2 まずは既読本を登録してみる」は飛ばして読んでみてください。


2-2 まずは既読本を登録してみる


アカウントを作ったら、まずは読んだ本・読みたい本を登録してみます。

検索窓に書名や著者名を入力して検索。
検索結果の中から既読の本・読みたい本を探します。

左側のタグが、はじめは「全部」になっているので、「书籍」でしぼりこみます。音楽なら「音乐」、映画なら「电影」をクリックしてそれぞれしぼりこみ。

書籍ページに移動したら、書影画像の下にある「想读(読みたい)」「在读(読んでいる)」「读过(読了)」ボタンを押します。☆やタグをつけるポップアップ窓が現れますが、入力は必須ではないので、ひとまず「保存」ボタンをクリックして完了させます。

ピンクのボタンの下のエンピツマーク、「写笔记(メモを書く)」「写书评(書評を書く)」は、それぞれの編集画面にリンクしています。

読んだ本の評価や、読みたい本、読んでいる本のジャンルのデータを積み重ねていくことで、豆瓣からのおすすめ本紹介の精度が上がります。
まずはどんどんお気に入りの本を記録していきましょう。


3 トップページ


あらためて、豆瓣のトップページを見てみましょう。

パソコンで豆瓣读书( https://book.douban.com/ )の最初のページを開くと、まず目に入るのは、「新书快递(新刊速報)」欄です。

3-1 新书快递
フィクションとノンフィクションに分かれてそれぞれ紹介されていますが、とにかくその更新頻度は驚くばかりです。海外作品の翻訳も毎月何十点も新刊が出てきます。

「出版年鑑」によると、日本の2015年の新刊発行点数は約8万点。対して、中国は約26万点と、3倍以上の差が開いています。(中国国家统计局23-2 图书、期刊和报纸出版情况 http://www.stats.gov.cn/tjsj/ndsj/2016/indexch.htm

ここ数年、「日本では翻訳版が出版されないけれど、中国語翻訳版が出てくれるおかげで読める本」が多くなってきました。

たとえば、2015年にノーベル文学賞を受賞したスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチの本。

ノーベル文学賞受賞の時点では、日本では購入可能な作品がゼロだったのですが、中国では4冊購入可能な状態でした。(2017年12月現在、日本でも4冊が購入可能となっています。)

最近発売された中国語翻訳版『二手时间』のアマゾン中国の書籍ページには、100以上のレビューがついており、中国の読者の興味の幅広さや、懐の深さを感じます。

このトップページの新刊情報に目を通すことで、中国国内の新刊情報がすぐにわかるのもうれしいですが、毎週のように発売される翻訳書のラインナップから、日本以外の国でどんな作品が人気なのかといったことも把握できます。

3-2 最受关注图书榜
ページを下にスクロールしていくと、今度は「最受关注图书榜(注目度ランキング)」が目に入ります。ここには、豆瓣のサイト内で注目度の高い書籍が掲載されています。

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