旅する喫茶、に旅する私。
「いつまでも好きって言っていられないよね」って言い聞かせて、周りに合わせて興味がないふりをしてるうちに手放してしまう。それが「大人になる」1つの証だと思い込んでいた。
私にとっては、その一つがクリームソーダかもしれない。
今は全国のクリームソーダを巡りたいと思っているし、自分で作ったりもするのだけど。
小さい頃に連れて行ってもらったデパートの食堂とか、近所の喫茶店とか。いつもメニューで見つける度に頼んでいた気がする。
普段家でジュースを飲むことが少なかったから、クリームソーダを頼む時だけはちょっとだけ特別な気分を味わっていた、のだと思う。
それがいつのまにか、喫茶店がカフェになり、クリームソーダがカフェラテになり。苦さを楽しめるのが、大人になった証だと背伸びをしたかったのかもしれない。
もしくは、誰かに何かを言われたのか、ふとしたきっかけで「恥ずかしい」と思ったのだろうか。恥ずかしい、が苦手というのはずっとずっと変わらずにいる。
でもさ、だいぶ大人になったって、ときめくものはときめくんだよね。
ころんとしたつやつやのアイスも、いつだってそこにいるちょっと甘ったるいさくらんぼも、それからそれから、しゅわしゅわと輝く炭酸水に。宝石みたいにきらきらと見えたのは幼い頃の勘違いじゃない、きっと。
ちょっとだけアイスと混ざったサイダーが曖昧な空みたいに色が変わっていくのも楽しくて、「いつ混ぜちゃおうかな」ってタイミングを見計らってるのは私だけだろうか。
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ありがたい時代になったものだ。
SNSでは好きなものやこだわりがどんどん流れてくる。
かわいい、だけじゃなくて、美しい。
そう思えるクリームソーダに出会った時の衝撃と言ったらもう。
旅する喫茶、なんて、にくいネーミング。
ちょっとレトロでノスタルジックで、
でも「大人」にアップデートされている感じ。
それぞれのクリームソーダにコンセプト、ううん、その時々のストーリーが織り込まれていて、まるっと愛おしい。
動画の背景も美しくて、リラックス効果も安眠効果もある気がしてる。α波と1/fゆらぎ、って感じ。ヨガで言ったらシャバアーサナみたいな。(これわかりづらいな……?)
旅する喫茶、が大阪で開催されると聞いたのでしっかりと行ってきた。
雨が上がって涼しい風が通り抜ける川沿いの屋上。
こういう景色と色合い大好きなんだよなあ……。
青のグラデーション。底が少しだけ紫で深みにきゅんとする。
スパイスたっぷりのカレー。
ちょっとだけ冷えた体にしみわたる。クリームソーダとカレーの組み合わせ、「甘辛と温冷のループは永遠に繰り返す」って確か3月のライオンでも言ってた……ほんとだ……(最大限に褒めてる)
もう1つ。
透明感が好き。
いくつか種類があったのにどちらも青をチョイス。これは私的には正解なのです。
それにしても単焦点20mm、F値1.8最高じゃないかな……?
色んなタイミングに恵まれていて、最高の週末。
柔らかく風が通るのに大好きな川沿いの夜景を見ながら、クリームソーダにときめく。ぴりっとスパイスたっぷりのカレーからは元気をもらう。
それから、やっぱり広角の単焦点も大好き。
大人になったとしても、好きな物は好きでいよう。その方がとっても心地いい。
誰に「まだそんな物好きなの?」って言われても、笑顔で「うん、大好きだよ」って返そう。
私は、好きな物に惜しみなく愛を、時間をかける人が好き。マウントをとらずに、共有できる人が好き。ここ数年、たくさん教えてもらったこと。
ちょっとだけふわっとした足取りなのは、 クリームソーダに入っていたリキュールのせいなのか、それとも。