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アンサンブルから学ぶ思いやり

オンラインでヴィオラを教えている生徒さんに、先日カルテット(弦楽四重奏)のレッスンをしていた。演奏のテクニックとは別に、スコアを読むことで事前に準備しておけるポイントも説明していく。改めて、アンサンブルは本当に人間関係に似ているなと感じた。今日はそんなお話。

↓私が仲間たちと組んでいるカルテット映像。今は同じメンバーでアミティ・カルテット (Amity Quartet) と名前を変えています。

実際に音を出す前に準備しておくと言っても、ヴィオラのパートの場合、バシッと何かを決めておくことはしない (あくまで私の個人的な意見です)。要所要所、柔軟に対応できるように、相手のパートを理解しておく。そして、どう来られてもいいように、むしろ、自由に弾いてもらえるように、少しスペースを広めに構えておく。

もちろんそれで、毎回ピタッといく訳ではない。それに、リハーサルでみんなで話し合って決めたことがあっても、舞台の上でインスピレーションを受けて、今までにやったことのない方向に演奏が進む場合もある (個人的にはそういう瞬間を愛している)。だからこそ、「こう決めたよね」とか「こう来るに違いない」と自分の中で前提を作ってしまわずに、相手を感じて、相手の「今」に神経を集中させる。瞬間瞬間で。

ちょっと話が大きくなってしまったけれど、アンサンブルで学べる思いやりにはもっとマナー的なものもある。一番分かりやすいのは、自分がメロディなのかハーモニー担当なのか、はたまたリズム担当かなどの役割は把握しておくことがとても大切。あとは、誰かのパートに途中から自分が加わるとき、勇んで我が物顔で入ってしまうと、それまでの流れを堰き止めてしまう。音色ひとつにしても、相手の使っている弦だったりフィンガリング (指遣い) に応じて、こちらも音色を合わせていく工夫をしたりする。

例を挙げ始めたらキリがないけれど、いずれも、いかに相手を生かし同時に自分を生かすか、いかに相手の判断を尊重しながら自分の感覚を大事にしていくか、そういうことを多く学べると思う。そうやって仲間たちと同じ方向を向いて、お互いに最善だと信じる道にコミットして共に歩んでいくのは大きな喜びだ。

最後に私が愛してやまないエベーヌ弦楽四重奏団をご紹介♪


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安達真理 - Mari Adachi
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