絵本専門士
今年の5月に、絵本専門士の資格を取得しました。
2023年からほぼ一年間、絵本専門士の講座を受け、晴れて絵本専門士となることができました!
絵本専門士は、絵本に関する高度な知識、技能、感性を備えた絵本の専門家ということで(がんばります)、講師陣は、いせひでこ先生、柳田邦男先生、教育心理学の秋田喜代美先生などなど、第一線でご活躍されているたくさんの講師の熱意ある講義を受けることができました(受講に応募したときは、講師陣を拝見して、絶対に受けたい!と一念発起したのでありました)。
本講座は、毎回真剣勝負な内容で、且つ課題が多く、息切れするくらいハードだったけれども、受講することで、絵本の歴史やその時代背景の考察、制作のスキル、保育・教育での絵本の役割などに対して視野がぐんと広がり、改めて絵本は多くの可能性を持った素晴らしい媒体ということを実感しました。
そして、講座を学ぶ過程で、レイチェル・カーソンのセンス・オブ・ワンダーとの共通点も垣間見えて気づきがありました。
カーソンは、「「知ることは感じることにくらべて半分も重要でない」と述べていますが、子どもの読書の場合でも、考えることよりさきに感じることが十分にされなければならないと、翻訳家で児童文学者の松岡享子さんはメッセージを投げかけています。
教育の現場ではしばしば、絵本を読んだ後、大人はその絵本の意図やねらいを子どもに感じてもらおうと、誘導することに熱心になりがちなところがあるようにも感じます。けれども、松岡さんがアメリカの図書館学校で「お話」について勉強したとき、「心がきょう感じとったことを頭があす理解する」という言葉を読んだと書かれていて、まずは感じることの大切さについても心を向けることが、これからの活動に向けて重要になってくるのだと感じています。また、松岡さんは下記のようにもわたしたちに問いかけています。
これらの言葉を胸に、絵本専門士の講座で得た視点を育ながら、絵本の可能性を拓いていきたいと思います。
そして、「幼い子どもが最初にふれる本は、人生に対して肯定的で、日なたのあたたかさと明るさを備えていなければならないと思う者です。」と松岡さんが宣言しているように、あたたかさを大事にしてこれからも絵本を制作していきたいと思います。
子どもと本の出会いを作る立場にあって、押し付けるのではなく、共に感動したり、笑い合ったり、世界を共有するような謙虚さを持ちながら、子どもと本との、本当の意味での結びつきを可能にする精神的空間を確保していく。
さらには、よい本の中にある子どもに訴えかける力や、子どもの中にある、直感的によいものに手をのばそうとする力を信じること、この希望を絶やさずに絵本専門士としても、できることを続けていきます。
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