昨年2020年3月のトイレットペーパー・ティッシュペーパー騒動を通して、歴史について考えてみる
昨年2020年の3月の頭は、日本は時ならぬトイレットペーパー・ティッシュペーパー騒動に見舞われていましたね。普段私が行くスーパーも、通常ではありえないほど混んでいたものです。
原因はSNSを通じて広まった、「トイレットペーパーやティッシュペーパーが不足する(不足している)」という悪質なデマのせいでした。不安を感じた人々が、トイレットペーパーをはじめ紙類だけでなく、食料品とかも含めて買っておこうと、押し寄せたのですね。
当時は、スーパーやドラッグストアのトイレットペーパー等の棚がガラガラになったり、売っていたとしても「1家族1つまで」などの制限があったりしました。なぜこんなことになったかを、検証してみましょう。
1.悪質なデマを信じた人々が、トイレットペーパー等を買おうとスーパーなどに押し寄せる。
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2.通常とは異なるペースで売れるため、店員さんの在庫の補充が追い付かない、場合によっては店舗の倉庫の在庫が尽きてしまう。
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3.店によってはトイレットペーパーの棚が空になる。
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4.空の棚に不安を感じた人が、やはりデマは本当だったのだと思い、他店に行ってトイレットペーパーを買おうとする。
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5.2~4の流れが、次々に別のスーパー等に波及していく。
必要以上に買い込むことを人々がやめさえすれば、棚は通常通りに満たされたはずなのに。落ち着いて行動することが大事です。
そもそもトイレットペーパー騒動は、すでに日本は経験済みですよね。1973年のオイルショックの時と、2011年の東日本大震災の時です。特に1973年の時のことは、歴史の教科書にも載っていることであり、授業で扱うと生徒たちは、「なんでトイレットペーパー?」と言って笑います。
そのことを知ってさえいれば、「トイレットペーパーが不足する」というデマが、デマ以外の何物でもないことは分かったはずなのに。歴史を知り、歴史に学ばねばならないというのは、こういうことを意味するのだと思います。