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教材分析と養成講座受講生のビリーフ

養成講座の授業で1年ぶりに教材分析をしました。今回は、「GENKI」、「できる日本語」、「まるごと」、「いろどり」を扱いました。そこで、ある2つのことが気になったのでメモをしておきます。

①教科書に文法の解説が書いていない…!

教科書によっては本冊に文法の説明があったりなかったりします。
例えば、GENKIには英語でびっちりと書いてありますが、他の教材には特に書いてないです。それについては、
・解説が「ない」ので「教師が説明が必要」
・解説が「ある」ので分かりやすい
・解説が「ある」けどとっつきにくい印象を与える
などいろいろな考えが出てきました。
そこで、
・教師がなにをどうすることが「文法解説」なのか?
・教師の説明が学習者の理解を促進し、使用を促すのか?
を考えてもらいました。多くの方は教師の解説を聞いて、理解が促進された「ような気がする」とのことでした。
そこで、最終的には、学習者が学習者なりに理解することが重要なので、文法書に載っている解説を理解するよりも、学習者の理解を手助けすることが重要だということを確認しました。

②漢字を使ったり使わなかったり…

これも、漢字がほぼ使われていないものもあれば、ルビ付きで書かれているものあります。それについて、
・「漢字」が難しいから少ない方がいい
・「漢字」が難しいから早くからやったほうがいい
などいろいろな考えがありました。
これについては、優先順位を考えてみてはどうかという話をしました。書けた方がいいものあれば、読めればよいものもあります。
ただ、「漢字が難しい」とはどういうことかについても触れました。

難しい漢字ってなんでしょう。

例えば、学習指導要領の学年配当を見ると、科学の「科」は小学校2年生、「私」は6年生です。ということは、「科」は「私」よりも簡単なのでしょうか?学習者にとって早く学ぶべき漢字なのでしょうか?やはりそう言い切るのは難しいそうです。学習者の日本語を使う環境に応じて、よく使いそうなものから扱う必要があるわけです。

以上のような話を通して、教材に書いてあるから、教えるのではなくて、学習者が日本語学習を通してどのような言語使用につながっていくのかを常に考えてもらえたら、いいなあと思います。