第48回:日出ずる国と日沈む国
昔々、聖徳太子という千円札から一万円札まで支配していた「髭の長いおっさん」が、 随に使者を派遣した(遣隋使)時、書簡の出だしをこう書きました。
「日出ずる国(東の日本)から日沈む国(西の隋)に書簡を送ります」
さて、その書簡を受け取った隋の皇帝煬帝は、 「日出る処の」は上り調子の国、「日没する処」は落ち目の国、聖徳太子は我が帝国(隋)をバカにしているのか?隋は永久に続く大帝国だぞ!と怒り狂ったそうです。
これを聞いた聖徳太子は、当時世界最強の一角の大帝国を怒らせてしまったことにたいそうビビッて
「なにぶん田舎者で儀礼を知らず失礼な書を送って申し訳ありませんでした」
という謝罪文をすぐに送ったそうです。 まぁ、その使者は遣隋使として派遣されたのですが、帰ってきた時には遣唐使になっていたんですけどね。
そう、使者が隋の返答を伝えた時には、隋はもう滅んでいたのです。実は隋は、煬帝の次の世代で滅亡する約30 年しか続かなかった短命国家だったのです。
隋から怒られる心配のなくなった日本は調子にのって、 その後「日の本(もと)」となる国として「日本」を名乗るようになるのですが、 実は、日沈む国を語源に持つ国があるのです。さて、みなさん、それはどこかわかりますか?
答えはスペインです。 スペイン語でスペインの事を「エスパーニャ」と言いますが、 実はこの「エスパーニャ」の語源、 古代ギリシア人がスペインのあるイベリア半島のことを「日の沈む国(エスベリア)」と呼んでいた
事に由来します。 実は、諸説あってウサギの国という語源もありますが、そんな無粋なツッコミをする人なんていませんよね?w
現在地図を見るとユーラシア大陸の最西はポルトガルなんですが、 ポルトガルはもともとスペインの一部から独立した国家なので、 ほぼスペインと考えれば、ユーラシア大陸の西端として「日の沈む国」と呼ばれるのも納得できます。
しかし、この「日の沈む国」が1580 年から1640 年にかけて最強国家となり、 「日の沈まない国」と呼ばれるようになるのですから、歴史というものはナカナカ皮肉が聞いていると思いませんか?っと、これで終わるのはさすがに短すぎるので「スペイン」の雑学を少々。
スペインには、1 年に14 の祝日があります(ヨーロッパでも5 本の指に入る祝日の多さです)。 これに加えて1 か月のバカンス(有給休暇)を取るのですから、なかなか悠々自適だと思った人いませんか?
じゃあ、この事実を知ってどう思いますか? ユーラシア大陸の東端にある「日出る処の国」は、有給年20 日(バカンス相当)、祝日は16 日あるそうです。 これを見た「日の沈む国」は、うらやましいなと思う事かもしれませんね。
あと、スペイン人が怠け者と勘違いされる習慣である「シエスタ」。 昼ごはんを食べてから「昼寝」して、それから仕事をする。なんて「うらやましい」労働環境と思っていませんでしたか?
実はスペイン人の約6 割が「一度もシエスタをしたことがない」そうです。 スペイン人は「怠け者」じゃないですよ!働きものなのです。 あ、スペインに支配されシエスタの習慣が残る南イタリアは、今考えたらだめで
す。絶対にダメですよ!
ということで、皆様が信じられないかもしれませんが「日本」は国際的にみて「割と」労働環境がいいほうなのです。 今の労働環境で「日本人は働きすぎ」とか言っちゃうと欧州人に笑われてしまいます。
時代は常に動いていて、「10 年前」の常識が「非常識」になっているのが世の中なんですね。
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