日報 3月19日 もう二度と会えないかもしれない
記入者:明明
朝目が覚めると、
部屋の低い天井が見えます。
その部屋には海みたいに青いペンキが塗ってあるので、
「海の部屋」と呼んでいます。
近頃、目が覚めると“昨日の朝”のことを思い出します。
(昨日も同じように目が覚めて、目の前に青い天井があったなぁ……)
そのあと、“おとといの朝”に思いを馳せます。
(おとといも同じように、目が覚めて天井を眺めたなぁ……)
そんな朝を3回迎え、6回迎え、10回迎え、
気がつくと、あっという間に1ヶ月くらい経っているのね。
同じように朝を迎えてみて、
ミンミンは当たり前なことを体の深いところで理解しました。
どの朝も、“何かが昨日とは違う朝”だったんです。
まず、昨晩に食べた夕飯や就寝時間によって身体の調子が違いました。
生まれ変わったように手足が軽い日もあれば、
反対に布団から一歩も出たくないほど全身が重い日もありました。
楽しみにしていることが明日に待っていると、
翌日は太陽の光を感じた途端に目が覚めました。
お腹が空いて起きる日もありました。
さっきまで見ていた夢をぽんやり思い出しながら、
夢と現実の間を行ったり来たりする日も。
約10700回。
今までに何回朝を迎えているのか計算したら、
この数字が出ました。
ミンミンは一万回以上も“朝起きる”ということを続けていました。
いろんな朝がありました。
きっとこれからも。
私、今日まで気軽に会えた友と呼べる人たちと、
明日からは気軽に会えなくなるんです。
今日の朝まで「いつでも会える友」だったのに、
明日の朝には「もう二度と会えないかもしれない友」になっている。
モノコトにはいつか終わりが来るね。
再会の日は来るかもしれないし、来ないかもしれない。
過ごした時間はいつまでも思い出の中に生き続ける。
けれど、
「会えなくなる日がくる」ということを、
私は真にわかっていなかったんだと気づきました。
決して悲しむことではないんだよ。
でも、なんだかね。
なんだかやりきれないこともあるのよね。
楽しかった友との時間の代償として、
その分の寂しさと愛しさが胸に溢れてくるの。
だから今夜はそういう気持ちと一緒に、
小さくたっぷりしんみりしようと思います。
友のみんなに、あったかい春が来ますように。