似顔絵_明明_2_4

日報 3月19日 もう二度と会えないかもしれない

記入者:明明


朝目が覚めると、
部屋の低い天井が見えます。

その部屋には海みたいに青いペンキが塗ってあるので、
「海の部屋」と呼んでいます。



近頃、目が覚めると“昨日の朝”のことを思い出します。

(昨日も同じように目が覚めて、目の前に青い天井があったなぁ……)

そのあと、“おとといの朝”に思いを馳せます。

(おとといも同じように、目が覚めて天井を眺めたなぁ……)

そんな朝を3回迎え、6回迎え、10回迎え、
気がつくと、あっという間に1ヶ月くらい経っているのね。

同じように朝を迎えてみて、
ミンミンは当たり前なことを体の深いところで理解しました。

どの朝も、“何かが昨日とは違う朝”だったんです。



まず、昨晩に食べた夕飯や就寝時間によって身体の調子が違いました。

生まれ変わったように手足が軽い日もあれば、
反対に布団から一歩も出たくないほど全身が重い日もありました。

楽しみにしていることが明日に待っていると、
翌日は太陽の光を感じた途端に目が覚めました。

お腹が空いて起きる日もありました。

さっきまで見ていた夢をぽんやり思い出しながら、
夢と現実の間を行ったり来たりする日も。



約10700回。

今までに何回朝を迎えているのか計算したら、
この数字が出ました。

ミンミンは一万回以上も“朝起きる”ということを続けていました。

いろんな朝がありました。
きっとこれからも。



私、今日まで気軽に会えた友と呼べる人たちと、
明日からは気軽に会えなくなるんです。

今日の朝まで「いつでも会える友」だったのに、
明日の朝には「もう二度と会えないかもしれない友」になっている。

モノコトにはいつか終わりが来るね。
再会の日は来るかもしれないし、来ないかもしれない。

過ごした時間はいつまでも思い出の中に生き続ける。

けれど、

「会えなくなる日がくる」ということを、
私は真にわかっていなかったんだと気づきました。

決して悲しむことではないんだよ。

でも、なんだかね。
なんだかやりきれないこともあるのよね。

楽しかった友との時間の代償として、
その分の寂しさと愛しさが胸に溢れてくるの。

だから今夜はそういう気持ちと一緒に、
小さくたっぷりしんみりしようと思います。


友のみんなに、あったかい春が来ますように。



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