2021年に聴きまくったアルバム
楽器は弾けませんが、音楽を聴くのが好きです。
通勤の行き帰り以外にも、今年から本格的にランニングを始めたので、聴いたことのないアルバムを通しで流しながら走るようになりました。
大体の作品は40~60分で一巡するので、ちょうど走っている間にすべての曲を聞き終えられて、とても良いです。
年の瀬ですし、今回は2021年によく聴いていたアルバムのうち、最近のものに絞って4作品紹介します。
1. Powers/羊文学
まずは日本のバンド、羊文学のメジャーデビュー後初となるこちらのアルバム。
2020年12月リリースなので今年の作品ではないうえ、彼女たちは今年に別のアルバムをリリースしているのですが、僕はこちらの『powers』をよく聴いていたので、こちらをチョイスしました。
羊文学ではじめて聴いた曲が本作の一曲目「mother」だったのですが、しょっぱなのイントロからもう「あ、これ好きぃ」以外の語彙が消し飛んでしまい、そのままドはまりして他の曲も聴くようになりました。
インディー時代にはどこか陰鬱だったり、狂気をはらんでいるような楽曲も少なくなかったのですが、この『powers』は全編を通して冬の青空と陽光のような、儚げながらも力強い楽曲が多いです。
youtubeかなにかのコメントで「母胎にいるような感覚になる」という感想を見た気がするのですが、まさにそんな感じです。
今年のサマーソニックにも参加して、タイアップもするようになって、2022年以降どんどん注目度が高くなるであろうバンドだと思います。
来年は、生のライブで見たいわぁ。
2. For the first time/Black Country, New Road
2つ目に紹介するのが、イギリスはロンドンを拠点に活動するバンド、Black Country, New Roadの記念すべきデビューアルバム。
ある音楽系ウェブメディアの記事を読んでいたとき、「イギリスからすごいバンドが出てきた」と太鼓判を押されていたのを見て、どれほどのものかと聴いてみたのが出会いのきっかけ。
結果、見事にブッ飛ばされました。
頭から最後まで40分間全く間延びしない緊張感たっぷりのサウンド、予想外の方向に曲調が転がり「一体どこへ行きつくのだろう?」と思わせられるほどの巧みな楽曲構成、音に表情を感じられるかのような演奏テクニック。
一巡聞き終わって「すげえバンドだ……」と思わず漏らしてしまいました。
彼らはポスト・パンクやポスト・ハードコアにジャンル付けされるらしいのですが、昨今の音楽シーンには明るくないのでそういわれてもピンときません。
King Crimsonとかのプログレっぽいなぁ、などと思ってしまいました。
プログレ沼は相当深いらしいので、下手なことは言えませんが。
そして、何よりも驚かされたのは彼らのアー写。
パット見大学生サークルの仲良しグループにしか見えないような人たちが、どうやってあんなにキレッキレの楽曲を作り上げてしまうのか、僕の認知では理解が追いつきませんでした。
3. Untourable Album/Men I Trust
3つ目に紹介するのは、カナダはモントリオール出身のバンドMen I Trustによる『Untourable Album』。
このバンドはドリームポップというジャンルに位置付けられており、まるで夢の中にいるかのような浮遊感を呼び起こす、輪郭のぼやけたサウンドが特徴的です。
本作ではその浮遊感が特に強く前面に出ていて、まるで意識が自分の体から離れてどこかへ飛んで行ってしまうかのような、心地よい浮遊感を感じました。チルウェーブとかアンビエントっぽさもあるかも。
ここまででお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、僕ドリームポップとかシューゲイザーとか、大好物なんです(笑)。
オススメのバンドやアーティスト等いれば、コメント欄で教えていただけると嬉しいです。
4. To See the Next Part of Dream/Parannoul
最後に紹介するのは、韓国はソウル出身の若手アーティスト、Parannoul(파란노을)のセカンドアルバム。
ぶっちぎりの今年ナンバーワン、というかオールタイムベストの1本に入るかもしれない、それくらいに衝撃を受けた一作でした。
一曲目『Beautiful World』でいきなりブッ飛ばされる。思春期特有の陰鬱さだったり、喜びや怒りや衝動がぐちゃぐちゃに混ざり合った名状しがたい感情なんかが、これ以上ないくらいに巧みに表現されている。
数分聴いただけで、今はもう遠くに消え去った「あの頃」の心情をリアルに思い出させてくれる、そんな魔力を持った作品だと思います。
しかもこれだけの作品を一人で、しかもすべてソフトで作っているらしい。すごい。
これに関しては、とにかく聞いてみてください。そしてブッ飛ばされてください。
以上、4作紹介させていただきました。
良いお年を。
補足
ギリギリ2021年中に書き上げられませんでした。
あなたのちょっとのやさしさが、わたしの大きな力になります。 ご厚意いただけましたら、より佳い文章にて報いらせていただきます。