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なりいち
2024年5月17日 06:18
小学校の校庭で、好きな人から逃げている。 全力で走っても、鬼役の鈴木くんからは逃げきれない。一番に捕まれば、手をつなげるチャンスなのに、いまはダメ。「もう、にげられないぞ」 そんな嬉しそうに言わないで。 少しづつ縮む距離のせいもあって、心臓が破裂しそう。 よれよれっと走っている親友が目にうつる。「よ、ようこ、おねがい、たす……」 一瞬、いたずらっぽく笑うと、颯爽と走り去っていく。