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自家製小説

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自分で書いた小説をまとめたマガジンになります。少しづつ増やしていきたいと思っています。
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掌編小説『手をつなぐ』

掌編小説『手をつなぐ』

 小学校の校庭で、好きな人から逃げている。
 全力で走っても、鬼役の鈴木くんからは逃げきれない。一番に捕まれば、手をつなげるチャンスなのに、いまはダメ。
「もう、にげられないぞ」
 そんな嬉しそうに言わないで。
 少しづつ縮む距離のせいもあって、心臓が破裂しそう。
 よれよれっと走っている親友が目にうつる。
「よ、ようこ、おねがい、たす……」
 一瞬、いたずらっぽく笑うと、颯爽と走り去っていく。

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