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夜半の憂愁

淡い光と影の下、ボードレールのパリを想う
漏れ聞く喧噪の奥ではグラスいっぱい満々と
誰もが注がれたスプリーンを飲み干している
 
そしていつしかそれに耐え切れなくなり
求められるまま敷き詰めた薔薇の華の寝床へと
癒えることのない棘の生傷からじんわり
紅くスプリーンを滲ませながら家路に就く
 
今夜も生傷を裂く棘の痛みを酔って忘れては
きっと朝まで快適に悪夢を堪能するんだろう
 
そして次の週末にはまたグラスいっぱいに
満々注がれた新たなスプリーンを飲み干して

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