幣帛 (この原色の世界)
静かにね
ただ、静かにね
そうしないと均衡が崩れてしまうから
鈍いフラッシュバックを伴う失速と高揚で
緋色の歯車は子守唄をがなりたてるみたいにして
境界線の倫理を突き抜けてしまうから
その危うげであやふやな存在の証として
僕の足元には四角い玉座があしらえられた
言い換えればこの世界の在りようは
君が僕に吐きかけた真空の神による破綻した愛と
その免罪符ゆえに誕生した狂気によって
永劫の自由が保証されたという一点に尽き
うまく振り返ることも出来ないままで
僕は今でも機械仕掛けの夢を見てるんだ
誰にも気付かれず地軸の針を巻き戻すように
舞い踊る小さな雨粒を手に取って
掻き消す騒音の計りかねる緩和と重なり合う融和さえ
点と点を結んでゆらぐ主旋律を越えるから
もう、それは僕の抜け殻ですらないんだよ
【この原色の世界】
ポエトリーリーディング作品として10年前に作ったものです。
「幣帛」と「#5」という二つを組み合わせたものですが、ファイルを紛失してしまって#5の方は詳細が分からなくなりました。発見次第、何らかの形で上げたいと思います。
※音源に関してはZOOMリズムマシーンに打ち込んだビート以外、学研「大人の科学シリーズ」付録のアナログシンセ、スタイロフォン、パーカッションとギターの全てが手弾きの生録音です。
もしも作品がお気に召しましたら、サポート頂けましたら幸いです。 ファンが作家を支え、作家がファンを通して世の中を笑顔で満たし、色んな価値観が僕やあなたのいるこの世界をハッピーにしてゆきます。 ここだけでなく、文化芸術を通した世の中へのアクションにご理解頂けましたら幸いです。