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道なりに歩く、或いは刻みつける

改めて、点々と街燈が仄朱く照らす
どこまでも真っ直ぐな夜道をひとり歩く
 
ありきたりで退屈な日常の蒸し暑い晩に
それと感じられているかも分からない
誰かの幸福な暮らしが道沿いに続いては
至る窓のカーテンの向こうに揺れてなお
 
闇夜を切り裂くにはあまりに頼りなく
あまりにおぼろであってさえ仄朱い燈は
見上げれど目に映らない月よりも煌々と
どこまでも真っ直ぐな夜道を照らし出す
 
上等だ、大いに結構だ

額に滲んだ汗を首にかけた使い古しの
色も落ちて褪せたタオルで拭った。

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