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ルピナスはルパン

空飛ぶモンティ・パイソンというひと昔いやふた昔ぐらい前のイギリスの超人気コメディーで、デニス・ムーア扮する義賊が金持ちからルピナスの花を奪っては貧しい農民の家に毎日届ける、という話がありました。

ルピナスばかりを届けられる農民は「女房が病気で死にかけてるっていうのに、ルピナスばっかりもらっても何もならない。ここ4週間に喰ったもんといったら、ルピナス・スープにロースト・ルピナス、蒸しルピナス、ルピナスのルピナスソース煮、ルピナス・バスケットの焼きルピナス添え、ルピナス・メレンゲパイ、ルピナス・シャーベットだけだぞ!ルピナスに腰掛けて、ルピナスの上で寝て、ルピナスを暖炉にくべてる。猫の餌さえルピナスだ!着てる服さえルピナスってんだ‼︎」とデニス・ムーア扮する怪盗に文句を言うわけです。

この時は、話自体はとても面白かったものの、なぜ義賊がルピナスばかりを農民に届けるのか、そのパロディーには気づかなかったのです。

今になって、なるほど!ルピナスはフランス語で lupin というのです。
つまり、名高き怪盗アルセーヌ・ルパン(Arsène Lupin)をパロディーにしていたわけですね。さすがコメディー大国イギリス!

ところで、ルピナスは日本語ではノボリフジともいい、藤と同じマメ科なので、画像にも写っているように、花のあとにはサヤエンドウみたいな実がなります。モンティ・パイソンにあったように本当に食べられるのかなと思ってしまいます。

なんとなく、ちょっと食べてみたいような気にもなるんですが、調べてみるとなんと、花は確かに食べられなくもないそうですが、種、要するに鞘の中の豆はとても苦くて有毒アルカノイドを含み、食すると命の危険さえもあるということ。

そもそもルピナスの lupi はギリシャ語の λυπη (lupe) 「苦い悲しみ」に語源を発するのです。(花穂がオオカミのシッポに似ているのでラテン語でオオカミを意味する lupus から来ているという別説もあります。)

ルピナスの花言葉は「常に幸福」

有毒アルカノイドで完全にラリって常にハイな幸福なんでしょうか。

*画像は、加古川の内陸部 志方町に咲くルピナスの群生。春には兵庫県の迎賓館の庭にも植えられていたけど、良い子はルピナスは見るだけにして、実を採って食べたりしないようにね。

(なお、Wikipedia を読むと、大豆アレルギーを回避するための代用食として用いられるともあり、本当のところはわかりません。)

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