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いまですか
週末は一瞬だ。
出かけることなく、ダラダラと仕事していたせいもあるが気付けば月曜日も終わろうとしている。
早い。気付いたら、あの世にいるんだろうな…とか、考えてしまう。
子どもの頃は、1日過ぎるのが長かった。毎日学校で過ごす時間は永遠に終わらない気がしていた。しかし、歳を重ねるごとに時間の進みが早く感じられる。なぜか?
この問題の解決に役立ちそうな調査結果があった。
2年前、ハーバード大学の心理学者たちが2250人を対象に調査したところ、人は1日で起きている時間の46.9%を「今」ではなく、「過去」や「未来」のことを考えながら生きていることがわかったという。
大人と子どもを比べると、たとえば、1歳児にとっての人生は1年。時間で考えれば、40歳の大人の過去記憶は1歳児の40倍。つまり、子どもは振り返る過去や経験が圧倒的に少ない。
子どもは7~9歳になると「過去」と「未来」という概念を認識し始めるという。
虫に刺された、膝を擦りむいた、自転車でコケた、友達からいじめられた、といったことが記憶にインプットされ、嫌な記憶は思い出したくない。苦手な科目のテストがある日はおなかが痛くなる。
一方、クリスマスには、サンタさんから何をもらおうか、お正月にはお年玉がいくらもらえるか?と、将来のことを楽しみに時を過ごし始める。
そうやって、少しずつ「過去」や「未来」に思いを馳せる時間が増えていき、「今」という時間が侵食されていくのだ。
子どもの頃は、過去を振り返らず、将来を考えることも少ない。ひたすら目の前にあることに対して五感をフルに働かせ、「今」を遊ぶことに全力を尽くす。
先のハーバード大学の調査によると、過去や未来に意識がいっている割合が多い人ほど、幸福感も減少するらしい。
大人だって、子どもの頃の気持ちになって、「今」を過ごすことに一生懸命になれば、「過去」や「未来」が入り込む余地が減り、時間を長く感じることができるのではないだろうか?
「今を生きろ!今を大切に!」と、よくいうが…
その心は「時間の感じ方」にもあるのかもしれない。
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