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働くの好きだったわ、と思い出した話

みなさん、こんにちは。マーブルウェルビーイング
の縁の下の力持ち、ジェイミーこと中川千絵美と申します!

中川千絵美/Chiemi Nakagawa
高知県出身、横浜市立大学卒。あだ名は「ジェイミー」。新卒として楽天グループ株式会社に入社し、お客様の購入ページの保守運用プロジェクト推進を担当。 その後地元高知県に戻り、株式会社FoundingBaseの一員として中学生向けの公営塾「村営塾エソラ」の塾の立ち上げ・運営を行う。 現在はグラフィックレコーディングを用いたコーチングや、探求学習支援事業、文部科学省トビタテ留学Japanの高校生向けの研修事業を行なっている。

実は私、2023年の1月に「うつ状態」と診断されまして、そこから今まで自分のペースで回復の道を辿っております。現在は「寛解」と言われる状態にはなっていますが、再発しないように気をつけている日々です。

実は最近まで、うつだったことはあまり大っぴらにはしていませんでした。それは、うつというワードが私が思っている以上に(特に精神疾患を経験したことがない人には)センセーショナルに受け取られたりして、伝え方が難しいなあと思っていたからです。
そんな中でもこの話を書きたいなあ〜と思ったのは、意外と周りにも「私も/僕も体調崩してて(た)」という友人が多かったこと。そして私自身も経験者の体験談からすごい勇気をもらったからこそ、ちゃんと発信したいなあと思ったことがきっかけでした。

余談ですが、みんラボのメンバーの1人である、よっしーさんのうつ経験談を聞くととても勇気が出ます。

最近大きく取り上げられたサカナクションの山口一郎さんの姿にも非常に勇気づけられます。私もそんな発信ができたらと思い、自分のうつの経験について少しお伝えできればと思います。

※個人的な体験記ですので、うつについての正確な情報を載せられていない部分があるかと思います。うつについての正確な情報は必ず専門家に確認してください。また、回復のスピードも人それぞれであることをご留意ください。


うつになった、でもそれは突然じゃなかった

※この章は、私のうつの経験について細かい内容が書かれています。うつの当事者でまだ治療中の方は、もしかすると読むことで自分自身に重ね合わせてしまいしんどくなることがあるかもしれません。そのような方は次の章からお読みいただけると幸いです。

決定的だったのは2023年の1月のこと。原因不明の高熱で4日くらい寝込んだことがありました。その高熱がストレスによるものかどうかも実際には診断は受けていませんが、高熱にうなされながら「あ〜心も体もボロボロだ…」と思ったことを覚えております。それと同時に「このまま熱が下がらなければ、仕事に行かなくていいな」とも。

でも思い返せば、前兆はもっと前からありました。
よく「突然〇〇という病気になって生活が一変した」という話を聞きますが、私のうつはもっと前からいろんな気配がありました(精神疾患の方の多くがそうかも知れません)。

夫はその気配を察知してくれていて前々から「休んだ方がいい」と助言をしてくれていたのですが、当時の私は聞く耳を持っていませんでした。今まで海外でインターンシップをしたり、新卒は国内の大手IT企業でバリバリ働いたりしていた私。「まだできる」「ここで折れることはできない」という意地を張っていたのです。

一年前くらいから違和感は感じ始めていて、半年前くらいから心理的安全性のなさ、精神的なしんどさをより強く感じるようになりました。涙が急に出たり、誰かと話すときに「無」になったり、夫との口論が増えたり…

余談ですが、うつ状態になってから一時期血圧が130/90になってました。
(外で全然歩き回らなくなったのが理由かと…)
ちゃんと動けるようになってから、だいぶ数値が改善しました。
(画像はだいぶ血圧が下がって嬉しかった時の写真)

結局1月の熱を機に、一旦休職。戻ることなくそのまま退職しました。
職場を離れても、頭を締め付けるような頭痛、そして寝ても寝ても寝足りない過眠の状態が続きました。
夜は悪夢や金縛りに頻繁に遭ってぐっすり寝れていない状態が続き、昼間も10時間くらい寝るみたいな生活に。

幸運だったのは、隣で夫が支えてくれたことです。当時私は仕事で超ど田舎に住んでいたのですが、これでもし独り身だったら精神的にも身体的にも、そして金銭的にも追い詰められていたことは容易に想像できます。

夫と共に私を支えてくれる、うちの猫
猫はウェルビーイング!

私は料理することがそもそもそんなに好きじゃないので、うつの中一人で食事をなんとかしないといけなかったら…と思うととても恐ろしいです…笑。
美味しいご飯を作ってくれる夫の存在がめちゃくちゃありがたかったです。(そして今も夫がご飯担当で、いつも美味しいご飯を作ってくれています。)

通院も車で1時間半とめちゃくちゃ遠かったし(地方あるあるかもしれませんが、ど田舎での精神科への通院はかなり大変)そのときに送り迎えしてくれる夫がいなかったら本当にしんどかった。そのほか全てを支えてもらい、本当に幸運でした。


”転職市場”への違和感→仕事探しの作戦変更

一年くらいかけて体調はだいぶ良くなり、薬の服用もなくなりました。
そろそろ仕事探そうかなあと思い始めて転職エージェントに登録。

私は「守破離」の守からきっちり始めるタイプなので、ちゃんとエージェントの話を聞きながら、転職系Youtuberの「転職エージェントを使い倒せ!」のやり方を忠実に実践してみたのですが…
私には転職エージェントを使う、というやり方そのものが合っていませんでした。

なぜかというと、”人材”として転職市場に乗せられる自分に違和感をめちゃくちゃ感じたからです。また、エージェントに決断を急かされたり、逆に選考のスピードが遅すぎて心配になったり…
やればやるほど「自分らしさ」を見失っていく感覚がありました。

「おいおい、転職なんてそんなもんでしょう、何甘えたこと言ってるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。がしかし、私には合わなかったのです。(もちろん、転職エージェントサービスは非常に素晴らしいサービスで、そのサービスが合う人・良いご縁が見つかった人も多数いらっしゃると思います。)

結局、一度転職活動をリセットして知り合いのツテで仕事を探してみることに。Facebookで「お仕事ください!!」という投稿をしてみることにしました。


働くの好きだったわ!と思い出した

ありがたいことに友人に恵まれ、お仕事ください!投稿にコメントしてくださった方は20名超。

その中で何人かとお話させていただき、最終的に仕事を始めることができました。(現在はマーブルウェルビーイングも含め複数の業務を掛け持ちしております。)

まずは業務委託から、これくらいのペースで働き始めたいというわがままも聞いてくださりました。このような形で自分のペースで働くことを再開できたのは、非常に良い選択でした。関わらせてくださっている皆様、本当にありがとうございます。

少しづつ働き始めて気づいたのは「私、働くこと好きだったわ!!!」ということ。元々みんなで何か進めていくの、すごく好きだし、想定外の状況にみんなで頑張って乗り越えるのも好きだったな〜とか、そんなことを思い出しました。

うつの時は、仕事が嫌で嫌でしょうがなくて、もう本当に早く離れたい…とそんなことばかり考えていましたが、本来私にとって仕事ってそういう存在ではなかったことを思い出したのです。

そんな感じで「あ、私仕事好きだったわ!!やるぞやるぞやるぞ!!なんでもやっちゃうもんね!」と急に仕事や活動を増やしたら案の定2ヶ月でダウン気味になり、仕事をセーブせざるを得なかったのですが、その話はまた別の機会に…。(調子に乗りました。)

仕事を再開して、働くことって自分の幸せにとっても、すごく大事!ということにも気づきました。

がんばれている、誰かと何か価値を産むことができている、自分でお金を稼げている、という感覚が自分自身の幸せにつながっているなあと。
労働はお金を稼ぐ手段だけではなく、自分の「夢」を成し遂げるためのものだけでもなく、働くという行為そのものが自分のウェルビーイングにつながるものなのだと実感しました。


仕事において大事にしたいこと≒人生において大事にしたいこと

こうして働きながらもう一つ考えたことは、「自分の人生のウェルビーイングにつながる仕事/そうでない仕事の差はなんだろう?」ということ。

「働くこと=人生」とは思わないけど、生きている時間において、労働が占める割合はすごく多い。だからこそ、仕事において大事にしたいことを考えることは、人生において何が大事か考えることにもつながるのではないでしょうか。

今まで採用面接の時とかにも「仕事において何が大事か?」って考えてきたましたが、どうしても会社に入ることありきの思考の深め方だったなと気づき、もっと視野を広げて、自分の人生において何が大事なのか?というところも含めて考えるようになりました。

数ヶ月考えてみて、出てきたものはこんな感じ。

◾️Mission(何を目指すのか)
目の前の/未来の)人・社会・世界をより良くすること

◾️Vision(Mission達成のためにどんな道を通るのか)
人の可能性を最大化すること
特に、熱量のある人の火をより加速させること


◾️Value(私個人としてどういうやり方でMissionを達成するか)
熱量のある仲間と、チームとして一緒に成し遂げること
ただし、誰かの体調を崩してまで達成すべきmissionはない
また、チームにおいて心理的安全性は最重要である

このMVVはまだ作成途中で、今後もUpdateの可能性がありますが、言葉にすると見えてきたものがありました。

特に大きな気づきとしては、自分にとって「何を目指す/何をする」も大事だけど、「どうやってするか(どうやって仕事の時間を過ごすか)」もとても大事だということ。

特に「熱量」「チーム」「無茶を強制しない」「心理的安全性」というのは最重要ワードであることがわかりました。

今まで自分のキャリアを考えるタイミングでは「何を成し遂げたいのか」ということを中心に考えていましたが、時間をかけて考えることで、それ以外の「どうやって」のところもちゃんと大切にしてあげよう、と思えるようになりました。


みんなが「自分の人生中心」のキャリア選択を

こんな感じで自分のペースで仕事を始めながら、自分の人生にとって何が大事なんだろう?ということを考えることができている実感があるのですが
よく考えると、これができる人ってなかなか多くないのではないでしょうか。

人はみんな自分の人生を歩んでいて、「自分にとって何が大事なのか?」ということを考えて良いはずなのに、それに向き合うのは大きなきっかけがないとなかなかできないなと。(私のように体調を崩したり、ライフステージが大きく変わったり…など。)

そこで私が今とても力を入れているのが、マーブルキャリアカレッジです!
2025年2月から第二期が始まります!(ここからはお知らせが入りますが、このプロジェクトへの私の思いも書いたので読んでくれると、とても嬉しいです!)

マーブルキャリアカレッジとは…
ウェルビーイング軸でキャリアプランを捉え直し、行動するためのスクール。型にはまった「転職」ではなく、あなたのベストな道を目指していく、そんな新しいキャリアスクールです。

「自分にとって何が大事なのか?」ということに、私は体調を崩さないと本当に向き合うことはできませんでしたが、このキャリアカレッジが誰かの向き合うきっかけになれたらとスタートしました。第一期はすでに終了、4名の卒業生がキャリアカレッジから出ています。

普段のオンラインのクラスの様子
オフラインで行われた最終発表会の様子

このマーブルキャリアカレッジを0から立ち上げるときに、どういう形にするのかチーム内でたくさん考えたのですが、特に私のこだわりポイントは2つ。

①一緒にウェルビーイングを考える”コミュニティ”としてのカレッジ
マーブルキャリアカレッジは”クラス”と”1on1”のハイブリッド型で進みます。クラスではあなたのウェルビーイングを見直すための「ウェルビーイングとは」「強みとは何か」「キャリアの中でどのフェーズにいるか」といったことを講師と一緒に考えていきます。

このクラスはいつでも見られる動画授業などではなく、あえてオンラインのリアルタイムで4〜8人程度のクラス形式で行っています。

その理由は、他者と話して初めて気づく自分のことが多くあると考えているからです
(共感してくださる方も多いかと思いますが)転職準備といった自分自身のキャリアを考えることは非常に孤独な作業です。自分自身のことを見つめるタイミングで、他者と対話しながら、時に立ち止まりながら進んでいける環境は、より深く自分を見つめ直すためにも非常に良い環境だと感じています。

②転職ありきではないキャリアカレッジ
キャリアカレッジと聞くと、転職を目指すものという印象があるかもしれませんが、マーブルキャリアカレッジは必ずしも転職だけが選択肢だと思っていません。
例えば、そのまま会社に残る、一度仕事を辞めてみる、世界一周してみる、留学してみる、起業してみる、業務委託で複数掛け持ちをしてみる…そんな無限大の選択肢の中から、あなたがしっくりくるものをあなたの人生ドリブンで考えてもらえる場所になれたらと思ってます。


始める前は、これって本当に需要あるのかな、ちゃんと価値を提供できるのかしら…と不安もありました。ですが、モニターとして受けてくれた一期生たちの声を聞いて「これは絶対により多くの人に届けたいものだ…!」と思えるようになりました。

特に嬉しかったのは「自分のために考える時間を使えるって贅沢なこと。そんな時間を作ってもらいました。」という言葉。周りからの目だったり、社会的に言われているキャリアの成功のイメージを一旦脇に置いて「本当に自分自身が大事にしたいことはなんだろう?」と考える時間を作れたんだなと実感しました。
同時にこのキャリアカレッジを通して、自分のために考える時間が贅沢なものではなく、みんなにとって当たり前な時間になるといいなあとも思っています。

より詳しい内容はこちらのnoteをどうぞ!

申し込みの前に、事前のヒアリングも行っています。双方アンマッチが無い形でのキャリアカレッジにできればと思っています。

▼事前相談・フォームリンク
https://forms.gle/9DpcaovSdPxTqSkKA

最後に

長々と自分の思いを書いていたら、なんと6000文字に達してしまいました…!

うつについては、私もまだまだ再発防止に力を入れている段階で、試行錯誤をしているところです。(これが思った以上に難しく…またちょくちょく記事にしていきたいと思っています。)

マーブルキャリアカレッジ2期生についてもたくさん書かせていただきましたが、このプログラムは本当に多くの人に届いて欲しいプログラムだと思っています。2期生ということでまだまだ手作り感満載のプログラムですが、ぜひ応援していただけると嬉しいです。


読んでいただき、ありがとうございました!