Crystal Snow #6
退勤し
私服に着替えた彼が
私とハルの待つ席に自分のドリンクを持って現れてから
もうかれこれ2時間ほど
ずっと話をしている。
私とハルが
興味深々で矢継ぎ早に質問しても
彼は
ゆっくりめの日本語と
電子辞書で翻訳した言葉を交えながら
丁寧に答えてくれた。
名前はキム・ソクジン。
俳優になりたくて
大学は演劇映画科に通っている。
学校帰りにスカウトされ
現在は音楽事務所に所属しているらしい。
スカウトされるなんてすごい!と言う私に
彼は耳を赤くしながら
電子辞書に
「アイドルをやるのも経験になると思いました」と打ち込んだ。
デビューもまだ決まらず
練習生として
仲間たちと宿舎に住みながら
学校とアルバイト。
合間に
マナーや、日本語を含めた外国語を習っているという。
小さな部屋に
7人同室で住み込み
年下の仲間達の食事を作ったり
喧嘩の仲裁をしたり
毎日が目まぐるしくて。
それは
「タイヘンダケド...トテモタノシイデス」
ハルと不毛な関係を続けてまで自分を保ち
必死で夢に縋り付く私には
1つ年下の彼の
夢に向かって真っ直ぐ歩く姿が
とても眩しく見える。
時折、
常連客と思しき人から何か話しかけられたり
カフェのオーナーからケーキを頂いたり。
その度に
立ち上がっては丁寧に会釈する。
誠実そうで
人あたりもよくて...
みんなに愛されているのがわかった。
ふと、
『ヒョン』と、声をかけてきた少年の1人が
彼に何かを聞きながらこちらを見た。
彼がニコニコしながら私達を見て
何かを答える。
少年は私達に笑顔をみせて
『バイバイ』と手をヒラヒラさせて去って行った。
不思議そうな顔で手を振りかえす私に
彼は
「事務所の仲間です。テヒョンといいます。あなた達は誰かと聞かれました」と
電子辞書に打ち込む。
なるほど!っと
彼に視線を移すと
「トモダチデス...ト、イイマシタ」って
耳を真っ赤にしながら言って
顔をプルプルと横に振りながらすぐに目を伏せたから
私もハルも
あまりの可愛らしい彼の姿に笑ってしまった。
思わず笑ってしまう。
誰かを自然と笑顔に出来る人って
きっと
彼のような人だと、そう思った────
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