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「結婚相手は直感でわかる」って本当かも。#2

「結婚するならこの人しかいない」と、突然舞い降りてきてから数日。私は自分の直感を信じることができなかった。

過去を美化しているだけかもしれない、もう何度もあきらめた人だから戻るわけにはいかない、彼だってもうすぐ30。他に相手がいてもおかしくない。「この人と結婚したい」という思いに気がついてしまったからこそ、「傷つきたくない」という臆病な自分が予防線を張り、行動をセーブしてくる。

彼との出会い

彼(夫)との出会いは、私が高校1年生のとき。同じソフトテニス部の1つ上の先輩だ。ソフトテニスの強豪校でもあった母校、彼はレギュラーメンバーとして活躍し、大会があるたびに全校朝礼の表彰式で舞台に上がるような人だった。後輩からすれば大スター選手の彼をちゃんと認識したのは、夏休みの部活の合宿だった。

当時、私の学年では先輩ブームが巻き起こっていて、一人に一人“推し”が存在していた。私は良くも悪くも、あまり先輩に興味がなく(笑)特に誰を推していたわけでもなかったが、彼を推していた友人のおかげでやっと名前と顔が一致した。

(そんな友人が、半年ほど後に違う先輩と付き合うことになったときは、推しと好きはやはり違うんだなと今思い返しても納得してしまう。)

高校1年生の冬。冬休みに入る前だっただろうか。何かの行事で部活が休みだったこともあり、クラスメイトでもある部活の仲間と池袋の東急ハンズで時間つぶしに何かを探していた。目的のコーナーを見つけ、商品と商品の間の通路を曲がろうとしたそのとき反対側から来た人と鉢合わせ、「うわぁっ!!」と声が出るほど驚いてしまった。

よく見ると、鉢合わせた人物は彼だった。いや、彼らだったはずなのに私は彼しか目に入っていなかった。同じ部活の先輩たちと遊んでいた様子で「○○だ〜!!」とテンション高めに周りの先輩方に名前を呼ばれたが、驚きの反動で上手く反応できず、あたふたしながらその場を去った。

「あれ、あの先輩ってあんな可愛かったっけ?」「あんなにニコニコ笑顔する人だったの?」「え、あんなにかっこよかった???かっこよくない???」

意識もしていなかった感情が表に出てきたことに戸惑いを隠せず、隣にいた友人にずっと「え?え?!」と動揺をぶつけていたことは今でも忘れない。こんな漫画みたいな一目惚れ(?)を機に、私は彼を意識するようになってしまった。


#3へつづく


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