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忘年会

年末のある日。
ワイワイ年忘れをしようと、
カレと仕事仲間で集まった。
ワタシも参加。

ワタシとカレはま近くに座ることになった。
あの席配置、誰の指示だ?カレか?
意図的か?だとしたら、バレるだろう。
カレは大バカ者なのか。

が、そんなことは杞憂に終わる。
だあれも我々を疑ってはいない。
バレることなんて全くない。
他人行儀に、我々はシロです。
それくらい自然に振る舞った。

カレもワタシも大バカ者ではなかった。
うまくやった。やっている。

しかし、自意識過剰なのかカレがワタシを
見るときだけ時間がスローになる。
見つめられているように感じる。

カレから時々送られる視線にやられちゃう。
ワタシを見るときだけまるで
見つめられているよう。

ワタシが自意識過剰なのかもしれないが、
公で会っているのに特別な感覚。
彼からの視線。
たまらない。やめられない。とまらない。
カッレエビセンだ🦐

折角の彼と仕事仲間との忘年会なのに、
残念なことにその日のワタシは、
健康体そのものではなかった。
少し体調を崩し気味。

そのため、宴前にメッセージアプリで
カレに栄養ドリンク剤を頼んでみた。
いやいや、
いやらしい意味があるわけではない。
ほんとにリポDとかそういう類いのものだ。
栄養ドリンク剤を飲んで、元気になって、
元気にさせて、カレのを注入!
とか下ネタではない。
え?誰も思わないって?

おそらく早めに到着するカレなら
薬局に寄れるかな?と期待して頼んだ。

そしたらなんと、カレはわざわざお店から
出て買いに行ってくれたようだ。
そこまでしてもらって、
本当にありがたや。ありがたや。

従って、ワタシがお店に到着した時には
カレは不在。カレ遅刻。カレごめん。
そんな具合だ。

宴中、カレとしっとりと目線があったとき、
そのわざわざ買ってくれた栄養ドリンク剤を
エア会話で「だして」と伝えてみた。

だして。とは少しいやらしいが、
そう伝えた。
えっちゃんは計画的なやらしいワルである。

カレはすぐに伝わったようで、
ズボンからモゾモゾと…
ではなく、
カバンからモゾモゾと出してテーブルの
下で渡してくれた。

またまた少しやらしいが、
カレはテーブルの下で「だして」くれた。
言い方っっ。
やらしいワル、確信犯だ。

脳内変態状態は一旦置いておいて、
カレの隣の人はワタシの口元がエアなのが
気になっていたように感じたが、
まあこちらとしては気にしないでおこう。

カレがテーブルの下でモゾモゾ、そして
そっとワタシに手渡しするのも
気になっていたように感じたが、
まあ同じく気にしないでおこう。

更には、カレと2人だけで栄養ドリンク剤を
グビグビグビと飲んでいたのも
気になっていたように感じたが、
ここまで来たらもう気にしないでおこう。

気にせず過ごさねばならないことが
多すぎる。
相手もこちらも。お互いな!

隣の人は少しだけ違和感を感じ取ったが、
THE空気読みの達人。
深くは追求しない人物だ。
そっとしておこう。
相手もこちらも。お互いな!てな具合。

そんなこんなで栄養ドリンク剤で精をつけ、
宴を乗りきった。
ほんのすこしTHE違和感を醸し出して
しまったが、まあ乗りきった。

他の皆は二次会に繰り出したが、
ワタシは帰宅。
カレも帰宅。
2人でそっと抜けた。

2人で抜けたというと語弊がある。
正しく言うならば、
ワタシがもよおしたのでカレが付き添った。
ただそれだけのことだった。
トイレについてきてもらうなんて
子どもか!とツッコマレても仕方ない。

宴のあと、各々がお手洗いを済まし、
少しだけ話をして駅でさようならをした。
私のことをずーと見送ってくれるカレ。
いつもそう。手を振った後もずーと。
そーゆーところ。ほんとに好きだ。

さぁて、
ほんとはもっと一緒にいたかったけど、
仕方ない。
子どもたちが待っている。急いで帰ろう。

その日の帰り際、カレはワタシに紙袋を
手渡してくれた。

おすそわけのフルーツ。
ワタシがほしがるカレンダー。
ただそれだけ入っていると思いきや、
 袋の一番底にプレゼントらしきものが
入っていた。
遅れに遅れたクリスマスプレゼントか?

そのプレゼントは悲しい思い出付きだ。

クリスマスの日に渡し忘れたものではなく、
ワタシの存在をスッカリ忘れ、
買い忘れていたものだった。

クリスマスに🍘でワタシとやったあと、
ヤバイヤバイ買い忘れた、
と焦って買ってくれたのか。

いただいたプレゼントは、
奥さんにも渡したという日用品。
一緒か。
同列だ。複雑だ。

いや、同列なんかじゃない。
ワタシのクリスマスプレゼントは忘れ買いを
していたのだから。
ワタシの階級は低劣だ。下の下。

カレにとってワタシはほんのこれっぽっちも
気にしなくてもよいハナクソのような人間
だと思う。
クリスマスプレゼントも買い忘れるくらい
の存在なのだから。

しかし、そんなハナクソのような人にも、
日用品ともう一つ。
プレゼントが入っていた。

ぬいぐるみのキーホルダー。
しかも双子。
一匹は鞄につけるとして、
はてもう一匹は…どうしよう…

そのぬいぐるみのキーホルダーは、
クリスマスの日に届いたメッセージのanswer
だった。
送り主の名前がぬいぐるみ。

これだったのか。
クリスマスに届いた意味不明のメッセージ。
勝手にわかったことにしておいた、
あのメッセージ。

ようやく解読でき、納得した。
と、いうことは…
やはりクリスマス当日に慌てて
買いにいったな。
えっちゃんの存在スッカリ忘れてた!って。

あとで知ったが、
そのキーホルダーと日用品。
カレファミリーとお揃いらしい。
これは、、、ちょっと、かなり、複雑。。。

ハナクソのようなワタシにもプレゼントを
くださったのだ。
まさかのカレの家族とお揃いというなんとも
こころがあたたまる?!プレゼント。
ありがとうカレ。。。

家族とお揃いということがわかったのは、
もう一匹はカレの鞄に付けてと
お願いしたとき。そのときに判明。

家族ともお揃いなら問題なくつけられる。
なるほど。そうきたか。

誕生日に渡したブランドの小物は
家族の前で持てないが、
家族とお揃いのものなら違和感なし。
なるほどな。

さてさて、
キーホルダーと言えば若い子がつける、
もしくは歳を取ればまたつけるブームが
やってくるという代物。

中間年齢層はキーホルダーをつけない!
と言われているが(元ネタミルクボーイ)、

中年らしき女性が自慢げにキーホルダーを
つけていたら、、、

それは間違いなく、えっちゃんだ!!