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#11 誰もが経験済み。シミュラクラ現象。/コトノハーバリウム

 今日は、誰もが体験したことのあるであろう現象の名前について紹介したい。

 突然だが、自動車の前面・飲料の缶の上部・押しボタン式信号のボタン部などに共通する特徴は何か考えて欲しい。

 そう、「人の顔に見える」ということである。

 人には「顔」にとても敏感に反応してしまう習性がある。自然界で、瞬時に顔を判別し、敵か味方か、人かそれ以外かを判断する能力の延長だと言われている。それによって、点や線が逆三角形に並んでいるだけのものでも顔に見えてしまう、という現象を起こす。この現象をシミュラクラ現象と呼ぶ。

 シミュラクラ(simulacra)とは、英語で像、似姿、幻影などを表す simulacrum の複数形である。

 人の顔に見えてしまうものは、親近感を持つものもあるが、恐怖感を与えることもしばしばある。実は心霊写真の多くはシミュラクラ現象で説明できてしまう、らしい。他にも、おばあちゃんの家や旅館で木の天井で木目やシミが人の顔に見えてしまいなかなか寝付けなかったなんて人も少なくないだろう。

 またシミュラクラ現象というのは、パレイドリア現象の一種とも言われる。パレイドリアとは、視覚や聴覚の刺激を自分がよく知るパターンに当てはめて解釈するという心理現象である。雲の形が何かに見えたり、空耳なんかもパレイドリア現象の一部である。

 他の動物も天敵からすぐに避難する能力や、獲物を発見するための能力、仲間を判別する能力を持っていると思われる。
 しかし、パレイドリア現象・シミュラクラ現象は、とても広い範囲で認知できる点、想像力で拡大することができる点において興味深く感じられる。

 ということで、今日は「シミュラクラ現象」について紹介した。人間のイマジネーションの基本の能力・習性ということで、他の人にも紹介して会話の種にでもなったら嬉しい。

 ではまた。

 

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