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#27 エコルシェを想像してたら上達する説。/コトノハーバリウム

 自分ができないことをできる人には、尊敬の念しかない。私にとっての三大尊敬種目は、料理・音楽・書道だが、今日は4位の話。「美術」である。

 私自身、絵心が皆無だとは思わない(少し悪意を持って「画伯」と呼ばれる人はみんなそう云うが)。ただ、やはり集中力や色彩感覚に関しては、上手い人のそれとは格が(悪い意味で)違う。

 私の場合、特に物を見る「眼」が養われていないことが、イマイチな絵を描いてしまうことの第一の理由に挙げられそうである。
「絵は目で描く。」これはどっかで聞いたセリフだが、絵を描くときは、手の動きよりも観察眼の方が大事であることは確かに納得できる。

 そして、ようやく本題である。今日のコトノハは、「エコルシェ」(仏:Écorché)である。これは、フランス語で「剥ぐ」という意味があり、人物画や彫刻などにおいて、皮膚を取り除き筋肉を描写した物という意味。

 物体を写しとろうとするとき外側をじっくり観察するのはもちろんのことだが、それを支える内側の構造まで意識することでより精緻な作品が出来上がるというわけである。エコルシェを練習することで絵が上達するというのは素人ながら理に適っているのだろうと推測できる。

 実は昔から、美術と解剖学はとても近接した関係にあるらしい。14〜16世紀に起こったルネサンスにおける偉大な芸術家・学者であったレオナルド・ダ・ヴィンチは、30体の死体を解剖し、750枚のデッサン(これまたフランス語)を残したとも言われる。
 このデッサン群は、書籍として出版されていない性質上その多くがバラバラになってしまった。しかし、芸術的な見地からはもちろん医学的な観点からも脊椎や肝硬変、動脈硬化の発見など大きな業績といえるだろう。

 ということで、今日は「エコルシェ」について紹介した。正直なところ、素人すぎるのと個人的な時間の都合上、エコルシェについての上澄みすらも伝えられていないと自覚するくらいの情報量の記事となってしまった。申し訳ない。
 申し訳程度に、眺めるだけで絵が多少上手くなるのではないかと錯覚させるTwitterとnoteのアカウントがあったのでそちらを貼って終わりにしたいと思うので、少しでも興味が湧いた方は覗いてみて欲しい。

 ではまた。

伊豆の美術解剖学者さんのTwitterアカウント
https://twitter.com/kato_anatomy?s=21


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