こんな時代に、地味に役立つかも?な手洗いの話
以前に病院で勤務していた頃、先輩から教わって目から鱗だったことがあります。
もうやっているよ、と言う方もいるかと思いますが、もしかすると役立つ方もいるかもしれません。
病院では、1日に数え切れないほど手を洗います。
「1ケア1手洗い」と教えられ、器材や人に触れた場合、その都度手を洗ってからでないと他に触れません。
入社数年目で全職員にアルコールが配布され、腰に下げて業務をするようになると、手洗い+アルコール消毒。
そこにさらに気をつけるように教えてもらったのは、水道のレバーやハンドル操作についてです。
まず、大切なのは手のひらや指の腹で触れないと言うこと。
手のひらや指の腹は、ものに触るとき無意識だと真っ先に触れてしまうので、菌やウィルスに暴露されやすいです。
その手のひらや指先で触れた栓を、洗った手で触ると再度汚染してしまう可能性があるのです。
そのため、レバー式であれば手の甲などを使って水を出すのがおおすすめです。
しかし、ハンドル式の場合はどうしても握らないと回せませんから、手のひらや指先が触れないわけには行きません。
そこで、手を洗った後が重要になります。
直接手でとじるではなく、ペーパータオルやハンカチなどを使って栓をとじるのです。
使ったハンカチは、できればビニール袋などに入れて、手拭きに使ったりしないようにします。
ペーパータオルやティッシュなど、捨ててしまえるものなら特に良しですね。
なあんだ、とか、当たり前のことを偉そうに。
と思うかもしれませんが、実際にしている人を街中で見たことはありません。
でもとても簡単で、合理的です。
わたしはこの方法を先輩から教わった時、そこまで考えの及んでいなかった自分に恥じ入りました。
毎日手洗いとアルコール消毒をしているから、まあまあきちんと対策できていると思い込んでいました。
STは患者さんの口の中を触ったり、全身状態の不良な方にもアプローチをするので、気をつけているつもりでした。
しかし、教わってみれば全く水道の栓が汚染されているのは当然だし、なのに気づいていませんでした。
そのため、その日からは手洗いについても再度意識をし直して、当然栓に触れないように気をつけました。
(病院はほとんど自動ですが、一部手動の水道がありました)
ところが、同じ話が別の職場の勉強会で出たことがありました。
「うんうん」と心の中で頷きながら聞いていたのですが、そこでびっくりしたのが他のスタッフの反応でした。
「実際の業務中はめちゃくちゃ忙しいし、そんなこと気遣っていられない」と言うのです。
いやいや、だからこそやん!
いそがしくて複雑な対策はできないから、簡単なことで防疫するんやん!
と心の中で突っ込みつつ、入社してすぐだったので口に出せませんでした。後悔。。。
まあ、医療系のスタッフたちではなかったので、その辺の認識が違ったのかもしれません。
ただ「当たり前のことを偉そうに」ではなく、「当たり前のことをきっちりと」が大切なことだと思います。
マスク不足は思ったよりも解消されませんし、消毒用アルコールも売っていません。
手洗い・うがいは特別な衛生用品がなくでもできる、基本的で重要な感染対策だと思います。
例のウィルスが世間を騒がせている今、我が家も例外なく影響を受けています。
保育園が育休の人は受け入れないとのことで、子ども2人と引きこもり生活。
近所の公園で身体を動かして、娘のストレス発散をしています。
マスクをつけても触ってしまう幼児にとっては、おそらくマスクよりも有効な手洗い。
髪もきっちり結んで、顔を触らないように対策をしています。
今自宅でできることを、きっちりしつつ、子どものストレス軽減も大切に。
今回はSTというよりも、病棟勤務経験からのちょっとした豆知識でした。