あの日、銀座で…とにかくアオハルかよ‼️
なんだろう。
兄のような人から、銀座デートに誘われた。
デートというか、お疲れ様会?
わたしの受験が終わったことをお祝いしてくれるらしい。
重たそうな紙袋をひとつ持った彼が、銀座の街に現れた。垂れ目を細めて、手を振りながら。
あぁ、なんだかひと足お先に大人になった気分だ。夕暮れの銀座で、待ち合わせ。受験生の頃には、想像すらしなかった世界ーーー
それから彼は、慣れた様子で1軒の小洒落た店のドアを開け、わたしを誘導した…いわゆるレディファーストで。
カウンター席に座り、彼は話し始めた。
「受験が終わったら、ここで乾杯しようとずっと決めてたんだ、コレで…」
そういうと、さっき持っていた紙袋から二つの小箱を出して、中のものを丁寧に並べた。
そこには、ふたつの大きめマグカップが並んでいた。
⁉️
乾杯するために、前から用意してくれていたってことが嬉しい。
(でも、何で?)
そんな気持ちは心の奥底に隠して、今日は楽しもうと決めた!結果はどうあれ長かった受験が終わったのだから。
それで充分だった…
マグカップの底には、2人で書いた
S.63.3.7 の文字が
今でも消えずに残っている。