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maikosan0429
メガネがない!
朝、書き物をした後新聞を読もうとしたらメガネがない。
無くしてもすぐに見つかるようにケースの色はピンク。おまけにラメまでついている。それが影も形もない。
机の上になければ食卓。
食卓になければキッチンカウンター、
そこでなければ朝からか弾くはずもなく、弾いていないピアノの上。
テレビ周り。
ソファとテーブルの上。
ない。
どこにもない。
まるで神隠しにあったみたい。
洗濯機を回す。
朝ごはんの支度をする。
おっちょこちょいだから、もしかして電子レンジの中に入れたか?
どこを探しても手掛かりも何もない。
夫と朝食をとりながら
「メガネないんだよね」
と言ってみる。
無言の夫。
これが逆の立場なら
「え〜どうしたの?どこかに置きわすれたの?朝から何しちゃったの?」
ぐらいのことは言ってただろうな。
食事が終わりだんだん焦ってきた。こういうのを
「まじやばい」
というのか?
ここまできたら探すところはここしかないと、台所にある何でも捨てるゴミ箱を見てみる。納豆のバックやみかんの皮、ティッシュ、飲み終えた薬のパッケージ…。
ピンク色は見えない。
見えたとしてもこの中から拾うのは嫌だったなぁ。
ならばもう一つのゴミ箱、紙ごみを中心に捨てているリビングのゴミ箱はどうだろう?
朝捨てたA4の封筒2枚が半分に折りたたんで捨ててある。間にレシートが挟まっている。
封筒を取ってみると、
あった!
ピンクのメガネケースが封筒の影に鎮座していた。
多分封筒を丸めた時に一緒にメガネケースを掴んでゴミ箱に入れてしまったのだろう。
意識しない一連の行動で、封筒と一緒にメガネケースをゴミ箱に捨てたなんて思ってもいなかった。
今日は燃えるゴミの日。
危うくメガネを捨ててしまうところだった。
ほっと胸を撫で下ろす。
こんな緊張はしたくない。