劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』感想③ 新キャラクター編
この記事は劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のネタバレを含みます。
アグネス・ギーベンラート
ヤマト隊パイロット。令和のクェス。ルナが言ってた通り「だから何?」としか言いようがないことしか言ってない。クェスもオマージュ元だろうけど、レコアさんっぽくもあるな。キラに振られた直後、わざわざファウンデーションの格納庫まで行ってシュラに泣きつく辺りがもうかなり嫌(笑)
最初はフレイともステラとも違う感じで「声優さんの演じ分けすげー」ってなってたんですけど、キラに迫る辺りから「あれ?フレイ味あるな??」ってなってからは「その声でキラにちょっかい掛けないで!あとシンにも!」ってなりました。スペックや地位で他者を計り、自分と比べるのはまあ悪い意味で今時っぽいキャラ付けだし、バックボーンが分ければもうちょっと好きになれると思うんだけど、今のままだとただの嫌な女でしかない。クェスもフレイも一応事情はあったんだし。コンパスにはコーディネーターもナチュラルも所属してるけど、その中で問題起こらなかったんだろうか。アークエンジェルのクルーとか一部を除いて心中バカにしてそう。実際「なんでナチュラルの味方するの?」みたいな発言もあったし。なんにしても、この子を理解するには劇場版二時間+特典小説では少なすぎた。ブラックナイツもそうだけど、新キャラ何かしらの媒体で掘り下げてほしい。具体的に言うとどこかに消えてしまったフリーダム強奪事件のOVAとか。
今回のことを糧に今後成長してくれれば生き延びた意味があると思う。がんばれ、アグネス。見た目とか才能とかそんなんじゃないところを見てくれる人がきっと現れるよ。いまのところ、そんなんじゃないところがろくでもないけど。
アレクセイ・コノエ
ミレニアム艦長。声が良い。この人飄々としてるようで実は絶対キレモノだなって一発で分かる声。ザフト出身だけどキラにも普通に接してくれるし、アークエンジェル沈んだんならミレニアム奪いにくるだろうと予想して発進準備しておいてくれるし、マリューさんの方が適任だと判断すれば艦長席も譲ってくれる。嫁が待ってるんだからはよ帰れやって注意もしてくれる。コンパスには自分から志願したのか、誰かが推薦してくれたのか、どちらにしても居てくれて良かった。
アルバート・ハインライン
技術士官。コズミック・イラのルルーシュ。アニメで偶に見かける、尺の都合でちょっと速めに喋らされてるやつかと思ったら、そもそもすごく早口という設定だった。操舵のことはノイマンが大体なんとかしてくれるが、メカニック部分ではこいつが大体なんとかしてくれた。最後の新兵器もこの人とキラが開発してくれたとか。勘違いしている方も多いけど「我に秘策有り」ではなく「我に新兵器有り」です。なんだったんだ、あの新兵器。
アウラ・マハ・ハイバル
ファウンデーション女王。諸悪の根源。大体こいつのせい。前述した通り、フォロー体制ができているなら国家主導でデスティニープランを導入すること自体は悪いことではない。が、それを他国に強要する、ましてや、従わなければ攻撃するぞ、などとは言語道断。極めつけに、その口実のために自国民を犠牲にする非道っぷり。かと思えば煽られて攻撃対象を変更したり、ブリッジを狙われた時には子供のように逃げ出したり、小物っぷりも見せてくれました。結局、この人はなんだったのか。過去の写真を見る限り、幼い容姿から成長していないわけではないし…アル・ダ・フラガの成功パターンなのかな。ザラ議長にしても、クルーゼにしても、アズラエルにしても、デュランダル議長にしても、あれだけのことをやらかすに至る理由や過去があったけど、この人の場合は自分の研究の成果で世界征服しようとしてただけですからね。同情の余地無し。しかし、明確な死亡描写がないのが何とも不安…。どちらかというと、幼い容姿の理由に迫るような、プルシリーズみたいなのが出てくる方が続編としてはまとまりやすい気もしますが、続きは多分ないんだろうな。他媒体で補完あるかな。
ファウンデーションの戦艦、一人だけコズミック・イラじゃなくて帝国歴を生きてたな。十二連陽電子砲は殺意が高すぎる。
オルフェ・ラム・タオ
ファウンデーション宰相。王子様みたいな容姿と立ち居振る舞いでラクスに近付く一方で、キラには敵意を隠しもしない。「ママがあの女の子と僕は将来結婚するって言ってたのに、大人になってみたら他の男と一緒にいる!許せない!」を格好良く言ってるだけ。自分たちは世界を導く者だとか言いながら、その要たるラクスも賛同してくれている(と言い張っている)にも関わらず、多くの国や人に非難されてる時点でお察し。ラクスを引き込もうとしてるけど、その方法として「ヤマト隊長を攻撃してもいいんですね?」「ハイ」ってとこだけ上手に聞かせて不信感を煽り、後で「攻撃していいって貴女が言ったんですよ?」とかやり方が嫌らしいにも程がある。公平な社会を目指す云々も、それはあくまで「自分たちの管理下で」行おうとしていること。結局、戦闘になると感情任せに「旧人類」「劣っている」と言いたい放題。ブラックナイツは全員そもそもアウラの被害者みたいなものなのでそこだけは同情できるけど。
ラクスの母親とアウラのことは研究所の同僚でおそらく同じ研究をしてのだろうことくらいしか分からなかったですけど、コズミック・イラのアダムとイヴでも作ろうとしてたのかな。というか、本当に世界を導く存在なんてものをラクスの母親は作ろうとしてたんでしょうか。あのラクス・クラインの母親にしてあのシーゲル・クラインの妻が?元は別の成果を求めた研究で、途中アウラとは袂を分かったとか、ラクス母が結婚を機に引退した後アウラの独断で方向転換したとか、そんなんであってくれ。でもやっぱり指輪捨てたのが答えなのかな。うーん?
イングリット・トラドール
ファウンデーション国務秘書官。悲恋担当。オルフェのどこが良かったんだろうか。与えられた役目を全うするため、気持ちを押し殺していただろう彼女には、「運命」に逆らって手を取り合うラクスとキラはどう映ったのだろう。彼女たちの価値観で言えば、オルフェとイングリットが結ばれることはない、どころかおそらく想うことすら許されない。それでも最後の戦いで、勝利はつまり彼女の失恋を意味するにも関わらず、オルフェの側で戦ったイングリット。愛だよ、それは。でもイングリットはテレビシリーズくらいの時間があっても最後はオルフェと一緒に散ったんだろうなと思います。最後の最後でオルフェがイングリットを見てくれたことが多少でも救いになっていれば良いです。
シュラ・サーペンタイン
ファウンデーション国防長官・近衛師団長。多分戦闘能力はオルフェ以上なんだろうな。一騎打ちを好んだり、戦場を「神聖な」としたり、敵ながら騎士道精神のようなものを持ったお人。アグネスを「美しい」と言い、それはアコードの価値観の中でのもので、利用するためのものでしかなかったけど、二時間の映画だったからああいう最後を迎えただけで、テレビシリーズであればアグネスとの交流の中で改心更正するイザークやグエルみたいな未来もあったんじゃないだろうか。その流れだと多分アグネス死んでるけど。
ダニエル・ハルパー
ブラックナイトスコード隊員。アークエンジェルを落とした奴その1。マスクで顔を隠し、ちょっとダウナーっぽい振る舞いがあったりキャラは立っているのだが如何せん時間が短かったせいでいまいち印象が薄い。ブラックナイツは全員そうなんだけど。マーズとヘルベルトにフェムテク装甲を見せつけて「見たら死ね」とか言っちゃう。どこのデスサイズだ。
グリフィン・アルバレスト
ブラックナイトスコード隊員。キラを闇墜ちさせた奴。シュラの次くらいの立場なのかな。指示出しとかもしてた、多分。あとシンを大幅に見誤ってた奴でもある。学習能力ねえなあとか言ってたが、アウラ含めてお前等全員デスティニープランを学習し直してこい。その元狂犬はプランの要だぞ。
リュー・シェンチアン
ブラックナイトスコード隊員。敬語キャラ。アークエンジェルを落とした奴その2。シュラと剣術訓練して「やっぱりシュラには敵いませんね」とか言ってたけど、これはシュラが強いのを称賛してるのではなくて、「自分たちはそう作られたんだから勝てるわけないよね」って意味だったのかな。
リデラード・トラドール
ブラックナイトスコード隊員。キャハハ系女子。周りに聞こえてないテレパシー会話内だからって「皆殺しー☆」みたいな発言できるのやばい。なんで姉があれで妹がこうなるんだ。
ブラックナイツは公開前からこんなに敵キャラ出して全員捌ききれるのか?と思ってたんですが、4/7をシンちゃんが捌いてくれました。物理的に。
新キャラ、みんないい味出してましたね。それだけに二時間という限られた時間しか無かったのがもったいない。小説でどれくらい掘り下げあるかな。
書きたい、共有したいことはまだまたたくさんあるけれど、適当なところで切り上げておかないと永遠に終わらないので、このへんで。
映画の二時間はもうずっと最高だったし、公開からの約二週間も色んな方の感想や考察で楽しいし、そもそも発表からの約半年間もずっと楽しかったので、監督はじめスタッフキャスト関係者の皆様には感謝しかありません。ありがとうガンダムSEED。